南火災予防協会の会長として防火、防災活動に取り組む 早川 達雄さん 高根町勤務 61歳
止まらない真っすぐな思い
○…区内200以上の企業などで組織される協会の会長に就任し1年。さまざまな団体と連携し、企業の防火設備の確認など予防啓発活動を行う。協会には30年以上所属し、雲仙普賢岳や神戸の被災地に行ったことも。震災から3年を前に「防災の重要性を再認識させられる」と、表情には固い決意が感じられる。
○…厚木市で生まれる。「いたずら坊主だった」という小学生のころ、四肢が麻痺してしまう病気を患い、2カ月の入院と厳しいリハビリ生活を経験。親切に対応してくれた医療スタッフのことを、今でもしっかりと覚えている。「(病気になったことで)優しい気持ちになれるようになった。悪いことばかりではない」と人生の試練を前向きに受け止めた。地理や歴史が好きだった学生時代は、郷土研究を行うクラブに所属。「地元のことを調べた。興味を持つと”ハマって”しまう」と、自らの性格をユニークに表現する。
○…さまざまな人の力を借りて病気を乗り越えたことがきっかけで、大学卒業後は患者のリハビリなどを手助けする「あん摩マッサージ指圧師」として、高根町の野村病院に勤務。同時に専門学校へ通い、仕事に必要な資格を取得した後、26歳から協会に携わる。2月末現在、市内で火災件数が最も多い南区の現状については「減少傾向にある協会員や消防団への入会者を増やしていきたい。減災を掲げる各組織が連携を深めることで、少しでも防止できたら」と抱負を語る。
○…「気が優しい」という長男は父の背中を見てか、障害者の手助けをする仕事に就いた。「たまに家族で食事に出掛けるかな」と控えめに笑う。「災害はいつ起こるか分からないから」と、交通機関が利用できず食料が尽きるという最悪の事態を想定し、病院から自宅まで40Kmの道のりを歩いたことも。”ハマる”と止まらない真っすぐな気持ちと人に対する優しさで、地域の火災予防に取り組む。
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