母乳育児支援コラム15 抱いて、見つめて、話しかけて 保健師 朝倉 きみ子〈長期授乳は母と子に利点〉
病気から守る
生まれてからしばらくの間、赤ちゃんは母乳の力で多くの病気から守られます。その後も母乳が多くの病気から守ってくれることが最近の研究から分かってきています。例えば、糖尿病や潰瘍性大腸炎、肥満、生活習慣病(心筋梗塞、高脂血症など)などです。その効果は母乳育児を1歳、2歳までと続けるほど強くなります。母乳を早くやめてしまうことは、赤ちゃんのためにならないのです。また、母と子の絆づくりにも大きな効果があります。
お母さんにも
母親にとっても、閉経前の乳がん、卵巣がんを少なくする効果があると言われています。高齢者になってからの大腿骨の骨折も少なくなります。これらの効果は授乳を長く続けるほど、強くなると言われています。
授乳はいつまで?
人類が母乳育児を続けてきたのは、医療もない時代からです。そのころは誰も母乳をやめなさいとは言ってこなかったのです。おっぱいをいつまで与えるかについて、医学的な根拠は存在しないのです。その時期はお母さんと赤ちゃんで決めて良いのです。「2歳になるのにまだ飲んでいるの」など、批判的な声かけをしないで、どうぞ周りの方々は見守ってあげてください。
言葉が話せるようになったら、子どもとおっぱいを通じてお話ししてみてください。例えば「きょうはイチゴの味がするよ」とかいろいろ教えてくれます。
(参考文献『安心の母乳育児―長く続けるために―』母乳育児シリーズ4、日本母乳の会)
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