「横浜防災ライセンスの会・みなみ」の会長として防災資機材の取り扱い方法を伝える 宮部 洋介さん 六ツ川在住 77歳
機器に心躍る優しき指導員
○…災害時に防災拠点で防災資機材を取り扱うライセンスリーダーの資格を2010年に取得。南区で8人しかいない「資機材取扱指導員」の資格も持つ。東日本大震災の後、迅速に資機材を使用できるリーダーの必要性が高まったと感じ、ライセンス取得者の技術を維持するために「ライセンスの会・みなみ」を発足させた。90人が所属する同会で「災害時は各リーダーが防災拠点の中心で活動してほしい」と力強く語る。
○…都内で生まれ、幼いころから電気機器が好きだった。小学生で真空管式ラジオを作る技術を持ち、大学では電気分野を学ぶ。卒業後は大手企業で発電所の制御室設計などを担当した。「工場の中央制御室を作り、その工場が稼働してさまざまな新しい製品を作る。『もの作り』が楽しくて仕方なかった」と笑う。現在も防災資機材の取扱方法を会員に説明している時間は、「胸がワクワクしてしまう」という。
○…父が連合自治会の会長をやっていたことで地域活動になじみがあった。40代で南区に移ると子ども会の役員に。自治会にあった少年野球とドッヂボールチームの監督を務めたこともある。「子どもが少なくて娘にファーストを守ってもらった」と嬉しそうに笑う。震災の1年後、被災地の現状を知ろうと岩手県に行き、その悲惨さを肌で実感した。「地域のために必要なことだと思った」とライセンスの会を発足させる思いを強めたきっかけにもなる。
○…妻、次女と3人で暮らす。長女と長男も南区に住み、顔を合わせることが多い。今年10月、脳梗塞で倒れて入院。退院した今はリハビリを兼ねて5歳の孫息子とキャッチボールをするのが日課だ。「毎日夕食を一緒に食べている」と優しく微笑む。子どもや地域の未来のために、大規模災害に備えるライセンスの会の活動を「継続的に実施してスキルアップを図り、意味のあるものにしていきたい」と心に誓う。
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