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「吉野町囃子連」を立ち上げ、お囃子を根付かそうと活動する 松井 清志さん 吉野町在住 68歳

掲載号:2019年1月1日号

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新しい伝統に挑む職人

 ○…正月は初詣客でにぎわう日枝神社のそばでお囃子団体を立ち上げて3年。大みそかから元日にかけて神社境内で仲間と演奏し、軽快な笛の音色で参拝客を新春の雰囲気に包んだ。「人前で演奏しないと上達しないから」と温和な表情で語る。

 ○…2014年、お囃子の篠笛を習う知人に勧められ、初めて笛を吹いたら音が出た。それまで楽器とは無縁だったが、中区のお囃子教室に通い始める。「教室では全然音が出なくて」と最初は苦戦。それでも講師の指の動きをビデオ撮影して研究し、徐々に音が出るようになった。吉野町にお囃子はなく、「伝統として根付かせたい」と15年12月、教室の仲間と「吉野町囃子連」を設立。翌年秋の例大祭では、みこしの先導役を務め、「失敗ばかりだった」というが、経験を積んでメンバーは成長。神社から依頼されて演奏するまでになった。

 ○…ハンコ店に生まれ、職人である父の仕事を間近で見ていた。Y校卒業後、店を手伝い「人の仕事を見て盗んだ」。ゴム印製作のこだわりから「必要以上にいじりすぎて、壊してしまうこともあった」と笑う。20代のころ、注文を受けた年賀状印刷のため、両親と数十万枚のはがきを手を真っ黒にして刷ったことが懐かしい。50歳の時、仕事の依頼で訪れた町内の役員が例大祭に携わっていたことから、町内会活動に。みこしは担がず、裏方に徹した。4年前から町内会長を務めるが「リーダーとしてもっと大局を見ないとね」と苦笑い。

 ○…自身が呼び掛けたお囃子活動に多くの人が賛同。「誰かが始めたことをみんなで協力してやれれば」とは町内会活動にも通じる思い。「100年経たないと伝統と言われないから」。干拓完成から350年以上が過ぎた地域で、新しい伝統を生み出そうとしている。

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