〈連載〉さすらいヨコハマ㊱ 映画の中の横浜市役所 大衆文化評論家 指田 文夫
現在は関内駅そばにある横浜市役所が来年6月ごろには桜木町駅近くへ移転する。
戦後、東神奈川にあった横浜市役所になる建物が出てくる映画がある。1949年の新東宝の『ラッキー百万円娘』で、日本貿易博覧会のイベント広場の奥のパビリオンは、59年まで市役所として使われた。現在の市役所が見えるのは、61年の岩下志麻主演の松竹映画『わが恋の旅路』で、運河と港橋の向こうに市庁舎がある。監督・藤田敏八の日活の『実録不良少女・姦』では、水道局職員が主人公の相手で、市会棟入口が見える。一番傑作なのは、吉永小百合と松橋登共演の70年の松竹の『青春大全集』で、吉永の父の三木のり平は、区役所戸籍係員で、2人が結婚届を出すと担当は、のり平でハッピーエンド。
(文中敬称略)
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