吉野町市民プラザの館長で市民のアートイベント「光のぷろむなぁど」を支援する 兼井 由紀子さん 吉野町勤務
辛抱強く、文化を育てる
○…間もなく開館25周年を迎える施設の館長を4月から務める。自身が2008年に発案し、施設の主催事業として始まったアートイベント「光のぷろむなぁど」。「施設が場所を貸すだけではなく、文化発信の拠点にならなければいけない」と地域を巻き込み、蒔田公園を舞台にキャンドルナイトを行った。翌年から運営は地域住民主体の実行委員会に引き継がれたが、施設としても支援を続ける。昨年はカヌー団体に大岡川でパフォーマンスをしてもらうなど、内容も充実。「1年目に思い描いたことが、少しずつ実現している」と5年間の成果を語る。
○…東京で育ち、6歳からバレエを始め、25歳で結婚するまで踊り続けた。「バレエで辛抱強さが身に付いた」と笑う。その後、ダンス専門誌の記者になったが、旭区民文化センター「サンハート」のホールを取材したことをきっかけに、1993年、文化施設の管理・運営を行う横浜市芸術文化振興財団に入る。すぐにオープンを担当した泉区民文化センター「テアトルフォンテ」では、国際的な舞踏家・大野一雄さんを開館記念公演に招き、連日満席にした。以来、いくつかの施設を経験し、吉野町に来て5年目となる。
○…「閉鎖的な面もあった」という施設を地域に開かれた場所にするために、さまざまな改革を行っている。階段横の場所を使い、市民が写真や絵を展示できるスペースを設けたほか、長期的に施設を予約できる制度を導入した。「市民活動の縁の下の力持ちでありたい」と強く願うからこその取り組みが続く。
○…バレエはもちろん、オペラの鑑賞も趣味だが、なかなか時間がない。「芸術は優劣があるもの」が持論で「良い演劇や素晴らしい音楽を一度でも体験してほしい」と思っている。「中高生やアマチュアからプロになる芸術家を支援したい」。辛抱強く、地域に溶け込む施設をより大きくしていくのが今後の目標だ。
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