4月から南消防署の署長に就任した 牧島 敬行さん 第37代署長 57歳
アイデアと信念で区民守る
○…金沢消防署で3年間、署長を経験。20代後半に六ツ川救助隊で勤務して以来の南区に「まちが近代的になったが、人情が厚く、親しみやすい」とその良さを語る。防災上課題のある住宅密集地やがけが多い点で金沢区と南区は共通点があることから「これまで取り組んできた対策が活かせるのでは」と意欲的だ。
〇…2歳から金沢区に住み、幼稚園から大学まで関東学院に。中学・高校では俳優の竹中直人さんと机を並べた。銀行員でいつも帰りが遅い父を見ており、「家の近くで市民の役に立てれば」と横浜市へ入庁。救助隊などの経験から「レスキューとしての誇りを持っている」と災害現場の最前線で市民の命を守ってきた自負がある。幹部になってからは、危機管理対策に携わり、多様化しつつある消防の役割を実感したという。
〇…以前から、大規模災害や悲惨な現場で活動した消防隊員が後に心身の不調を感じる「惨事ストレス」に着目。日航機墜落事故やアメリカ同時多発テロの例を勉強し、事前の装備などを研究。東日本大震災の際には被災地に派遣された職員がそのアイデアを実践するなど、実を結び始めている。署長として「立派な社会人、消防人となるよう、職員を育てたい」と願う。「背中を見てもらい、知識、技術が憧れられるようになってほしい」と信念を語る言葉に力が入る。
〇…中学時代からサッカーを続け、今でもシニアの強豪チームに所属。フォワードとして毎週のように試合をこなす。「うまい選手が増えて、最近は出番がない。最後の10分だけ出られればいい」と笑う。チームは全国大会に出場するほどで、遠征も多い。「スケジュール管理が求められ、結果として仕事の意欲向上につながる」と、趣味が仕事にも良い影響を与えている。「区民と一緒に前へ進み、防災・減災に取り組みたい」。ゴールを狙うサッカーのように、目標を明確にして区民の安全を守る日々が始まった。
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