井土ヶ谷上町正栄会の会長で地域密着の商店街作りに励む 岩崎 堅一さん 井土ヶ谷上町在住 75歳
喜ぶ姿をもっと見たくて
〇…井土ヶ谷交差点から平戸桜木道路沿いに広がる商店街の会長を務めて10年。夏休み恒例の夜店を7月29日に行うが、30年続いた名物行事も今年が最後。「役員が高齢化し、続けるのが難しくなった」と胸の内を明かす。しかし、「毎年、多くの人に喜んでもらっている。最後とはいえ、いつも通りにやりたい」と来場者の笑顔を楽しみに準備を進める。
〇…祖父の時代から続く井土ヶ谷の酒店で生まれ育った。高校生のころから店を手伝い、”御用聞き”として走り回る。経理の専門学校を経て本格的に店で働く。スーパーなどの台頭もあり、客から注文を受ける数は次第に減ってきた。3代目として20年前、酒店からコンビニエンスストアへの転向を決断。「切り替えるには良いタイミングだった」と振り返る。24時間営業、アルバイトの教育など、慣れぬことばかりだったが、「開いていて便利」と言われることが酒店の時代より圧倒的に増えた。
〇…高齢の来店者に声をかけるなど、地域の特性を活かした店舗運営を心がける。「ほとんどのお客さんが常連さん」と大型スーパーや専門店との競争に負けぬよう、地域に溶け込んだ店づくりを信条とする。高齢者に意外に喜ばれるのが公共料金などの支払い。「『便利になったわ』と言われるのが嬉しい」と笑う。
〇…一番の趣味は「国内はほとんど行った」という旅行。カメラを構え、全国を回る。鉄道模型も家の部屋いっぱいに広がるほど。「この前、久々に走らそうとしたら、ほこりだらけで動かなかった」と笑う。夜から早朝まで店舗にいることもあり、多忙で趣味の時間は少ないが、買物客の笑顔を見ると、疲れも吹き飛ぶ。長男らも店を手伝っており、家族ぐるみで経営する。夜店は最後になるが「今後も喜んでもらえることを考えたい」。子どもたちや買物客の喜ぶ姿を頭の中に描きながら、店と地域を文字通り24時間支えていく。
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