区内で初めて鐘楼門を設置した光勝寺の住職で仏教を広める活動を行う 高藤 英夫さん 睦町在住 48歳
新しい門から仏道を歩む
〇…寺の門を「鐘楼(しょうろう)門」と呼ばれる釣鐘との一体型に新調した。区内の寺では唯一という珍しいタイプ。使われなくなったチャペルの鐘を入手し、溶かして釣鐘に。その決断に檀家などの関係者からは意外なほど反対する意見は出なかった。「『楽しみにしている』という声が多くて良かった」と安堵の表情。工事を見守る周辺住民からの反応も上々で、目標としている「生活に根差した場所」への道を着々と歩んでいる。
〇…祖父が住職だった兵庫県の寺で生まれた。子どものころから祖父に「将来は東京で寺を作れ」と言われ、そのころから住職になることを意識。仏具関係の仕事に就いた後、紹介を受ける形で10年前に光勝寺にやって来た。当初は法事のやり方など、自分が知るものとは異なる点に戸惑うことも多くあった。「寡黙な人だった」という先代が亡くなり、4代目住職になったのが3年前。「違うと思うことがあれば、きちんと伝える」と檀家らとのコミュニケーションを重視し、寺が「地域の拠りどころ」になれるように取り組む。
〇…「仏道は生活そのもの」と言い切り、「すべてが修行の場」だという。親鸞の教えである「苦悩の根元を破り、永遠の幸福に生かされる」という人生の目的を追求する。寺の課題は、いかに若い世代に仏教に関心を持ってもらうかということ。「親鸞の教えを分かりやすく伝えられる場所を作りたい」と寺を使った勉強会を開く計画もある。
〇…南区に住んで10年。「静かで住みやすい」と気に入っている。小学5年生の息子と近くの公園で遊ぶのが楽しみ。大の読書好きで「新聞広告を見て気になったものを読む」スタイル。小説から漫画までジャンルは問わない。最近「太りましたね」と言われることが多くなったのが悩みで「食べる量を減らさなきゃ」と笑う。「仏教の間口を広げたい―」。新しくなった門を地域に大きく開き、生活に根差した寺を目指していく。
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