南区食生活等改善推進員会の会長として食を通した健康づくりに励む 桜木 美津子さん 永田東在住 64歳
食から始める健康長寿
○…食育の啓発を行いながら、区民の健康づくりに取り組むボランティアの代表を昨年4月から務める。「子どものころから偏りなく食べてほしい」と野菜を多く使ったレシピを考案し、妊娠中の母親向けの料理教室に力を入れる。現在、南区内で110人が活動中。「料理は私が一番下手」と笑うが、新しい推進員を養成するセミナーが5月から始まるのを前に「知らないことを学べるチャンスなので参加してほしい」と目を輝かせて語る。
〇…横須賀市出身。自転車をクラスの誰よりも早く乗りこなす活発な少女だった。造船所で働いていた父は、休みになると近くの畑でキュウリやナスづくりに没頭。食卓にその野菜が並んだ。「新鮮でおいしいものを食べられた」。父は101歳で大往生。「野菜が長寿につながったのだと実感した」という。
〇…自身は定年まで仕事を40年以上続けた。その間、手が込んだ食事を作ることは少なかった。「いろいろな世界で勉強したい」と定年後の2010年、広報で知った推進員養成セミナーに参加し、翌年から活動を始めた。妊娠中の母親から高齢者まで、幅広い世代に料理教室などでバランスの良い食生活の大切さを訴えた。「つわりで苦しんでいた母親が料理完成と同時に元気になったこともある」。今でも野菜が本来持つ甘み、昆布や鰹を使っただしのおいしさなど、これまで知らなかったことの発見の連続だという。家では煮魚を作ることが多い。「栄養バランスを考え、塩分少なめで」と笑顔。
〇…規則正しい生活を心がけ、区内で行う教室や講座にはすべて徒歩で移動。ガイドボランティアの活動も始め、南区の歴史も学ぶなど好奇心は尽きない。「頭と体も合わせて健康づくりを行いたい」と食を含めた取り組みを意識。「父の101歳とはいかなくても、90歳までは元気でいたい」。食の大切さを広めながら、健康で長生きを目指す。
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