カルチャー教室「は〜とふるの会」会長で9月28日に伝統芸能の発表会を行う 大坪 久己さん 永田南在住 72歳
「逃げない心」貫き続ける
○…民謡や詩吟などの日本伝統芸能を通じて地域住民が交流を図る「はーとふるの会」を発足させたのは約20年前。会に集う人に練習の成果を披露できる場を提供しようと発表会を設けた。本番では自らも舞台に立ち、歌や詩吟を披露する。14回目を迎える晴れ舞台を前に「地域の皆さんのおかげでここまで来られた」と周囲の人々を立てる姿には、心優しい人柄がにじむ。
○…生まれは旧満州。「ソ連兵に”抱っこ”されたことを覚えている」と戦時中の記憶を語る。終戦後、東京で1年間生活した後、南区高砂町へ。日枝小学校に通っていた5年生の時、永田南に移った。少年時代は「無鉄砲でけんかばかりしていた」と笑う。南中卒業後は横浜商業高の夜学に通い、昼間は仕事に精を出した。大学在学時から働いていた塗装会社から独立したのは28歳の時。「営業が好き」と公言する社交的な性格で、大手企業とも地道に信頼関係を築いた。
○…会社は個人経営だった『大坪塗装』でのスタートから、妻や2人の娘をはじめ、複数の従業員が在籍する『大坪工業株式会社』へと拡大。仕事をする上で心掛けてきたのは、どんなことにも「逃げない」という強い意志だ。「不便に感じる家の『困りごと』をお客様に相談されたらすぐに対応する。後回しにしない」。誠実な姿勢と地域密着への思いが生んだカルチャー教室「は〜とふるの会」にも、趣味に応じた講座を用意。「普段着で来られる教室」をモットーに多くの地元住民が集う。
○…入会17年の横浜南陵ロータリークラブでは今年度の会長を務める。「ボランティア精神を継続していくことが大切」と、社会奉仕活動をけん引する。趣味は旅行で、妻と2人で温泉に出掛けることも。5年前に始めた尺八やカラオケも好きだ。「(16年に完成予定の)新しい南公会堂でも発表会ができたら」。会に集まる人々と「逃げない心」で目標達成を願う。
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