日本人と労働【8】 人工知能に負けない心の産業 元全日本労働総同盟 国際局長 相原正雄
国内の労使関係構築に力を注いだ井土ヶ谷下町在住の相原正雄さん(84)による月に1度のコラムです。
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現在、話題の一つとしてAI(人工知能)があります。囲碁の世界王者で”人間代表”の韓国人選手に圧勝したことはまだ記憶に新しいです。
先日、経済産業省がAIやロボットなどの技術革新に何も対応しなければ、2030年度に国内雇用が735万人減少するとの試算を発表しました。モノ作りなどのあらゆる産業において、これからはAIやロボットを活用できる技術者の育成が不可欠。子どものころから機械プログラムに触れる教育を充実させることが大切です。
現在の国内産業で最も重要と言えるのが介護と保育です。どちらも低賃金で人手不足が指摘されています。介護・保育の現場において大切なのは利用する高齢者や子どもと心を通わせたコミュニケーションです。あらゆる労働がロボット化されても、心の絆やつながりはロボットには入り込むことのできない領域です。
介護・保育分野の労働条件が改善され、志す人が増える政策を進めることが重要です。『看』という字は病人に手で触れ、目でよく見ることです。ロボットに触られても病気はよくなりません。
最後にこのたびの熊本地震で亡くなった方、被災された方に心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。
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