横浜市アマチュア無線非常通信協力会南区支部の事務局長を務める 福井 正博さん 南太田在住 39歳
無線でつながる声と心
○…アマチュア無線のフェスティバル「ハムフェア」で知り合ったメンバーと一緒に昨年、南区支部の活動を再開させた。再スタートを祝って実施した総会には、大人から子どもまで約20人のメンバーが出席。「無線は声のやり取りなので年齢の壁がない。みんなが平等」。新たに生まれた世代間交流を喜ぶ。
〇…旭区出身で横浜は昔から馴染みの場所。大手電機メーカーを経て、板金塗装業を営んでいた父を見て育ち「子どものころから器械いじりが好きだった。4歳で車のバンパーを外したりはできた」と笑う。小学3年でアマチュア無線の資格試験に合格したが、その後は発展が著しいパソコンや大好きな車に熱中。10代で父の仕事を手伝い始め、自動車整備会社を20歳で起業。アマチュア無線は「過去の記憶」になっていた。
〇…所有するクルーザーに海上特殊無線を乗せたいと思い立ち、30代半ばでふとよみがえったのが小学生で取った無線資格の存在だった。2015年、小学2年生だった長男と一緒にアマチュア無線技士3級を取得。「ハムフェア」で近所の”無線仲間”と知り合ったことなどから、世代を超えて楽しめるアマチュア無線のコミュニティを拡大したいという思いが膨らんでいく。過去の名簿などを頼りに、南区支部の会員らと連絡を取ってメンバーを参集。「一度自宅から降ろしたアンテナを再び立ててくれた夫婦もいる。再開をみんなが喜んでくれた」と嬉しそうに語る。
〇…昨年は妻と次男も4級免許を取得。家族全員が南区支部の名簿に名を連ねる。南太田での暮らしは約10年。地域の交通指導員や消防団などでも活動するが、「30代〜40代の僕ら世代がコミュニティにいない」という現状には寂しさも感じている。「子どもには必ず親がいる。みんなに出てきてもらえたら」。地域に潜在する「アマチュア無線家」の輪を広げ、異世代の声と心をつなげていく。
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