〈連載〉さすらいヨコハマ㉜ 春になれば... 大衆文化評論家 指田 文夫
春と言えば飛鳥山
春は選抜から
春に三日の晴れなし
これは、春に関する言葉で、王子の飛鳥山は徳川吉宗が植えたという桜が有名で、今の上野公園や目黒川を上回る名所だった。
夏の全国高校野球大会に比べ、強豪校ばかりで面白みがないといわれる選抜高校野球大会だが、21世紀枠を設けるなど、工夫もされた。春は気圧の動きが複雑で、晴れも続かないとされているが、今年は安定している。
さて、サラリーマンにとっての春は、その結果に一喜一憂のある人事異動だろう。会社員の人事の悲哀を描いた秀作が小津安二郎が監督を務めた1958年の「早春」で、病で倒れる者などがあり、主人公の池部良は、岸恵子との情事の「罰」のように、地方の工場への転任を命ぜられ、妻の淡島千景と「都落ち」になるが、やり直しを決意する。
(文中敬称略)
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