家庭的保育事業で「矢後保育室」を3月まで27年間運営した 矢後 壽惠(ひさえ)さん 永田北在住 66歳
子を預かり、育てた27年
○…横浜市の家庭的保育事業を行う「矢後保育室」を母から引き継いで27年。自宅の1階部分を保育室として使用し、今年3月まで保育室を運営した。「今振り返ると、あっという間だった。子どもはかわいいし、懐いてくれ、保護者から感謝される。良い仕事に就けた」と話す。
○…家庭的保育事業は、仕事や病気などで日中、子育てに専念できない保護者に代わり、市の認可を受けた資格者が、自宅で0歳児から2歳児までを預かる制度。「とにかく安全が最優先。最初は夜寝ていても不安で起きてしまうこともあった」と引き継いだ頃を振り返る。
○…生まれて間もなく南区へ。以後、井土ヶ谷小、蒔田中、横浜緑ケ丘高と進む。「背が小さくて痩せていたけど体は丈夫」で小学生は皆勤だったという。蒔田中の時、前回の東京五輪で活躍した東洋の魔女にあこがれ、バレーボール部に。高校までの6年間続けた。「あまり強いチームでなかったけど、仲が良くて楽しかった」と振り返る。語学が好きで上智大学の仏文科に進学。就職活動の時はオイルショック真っ只中で「4年生大学の女性はどこに行っても門前払い」。地元の自動車販売店に勤務後、友人が塾を開設し、誘われて講師に。38歳の時に母から保育室を引き継いだ。以後27年間、自分の病気で休んだことはない。
○…活発で社交的と言われるが、実は人見知りだという。趣味は夫に誘われて始めたマラソン。「走っている時は苦しいけど、やり遂げた時に達成感がある」。「便利で緑も残り静か」という南区の中で大岡川沿いから弘明寺、日ノ出町を走るルートがお気に入り。これからは、自宅をそのまま引き継いでくれた保育室の補助員として働きながら、マラソンに力を入れていきたいと元気に話す。
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