〈連載〉さすらいヨコハマ44 映画の中の汽車道 大衆文化評論家 指田 文夫
新型コロナウイルスの影響で、横浜の観光地も観光客が大幅に減っていると聞くが、それでも、みなとみらいの人気は根強いようだ。
人気の一つに、桜木町駅から新港地区に行く汽車道がある。新港ふ頭への貨物路線として作られたが、客船全盛期は、豪華客車でふ頭に行き、外国航路に乗った。汽車道(私が勤めていた市港湾局では「ウィンナー」と呼んだ)には、貨物荷役用として上空には大きな屋根が水面に張り出し、石炭車を置いて、艀落としもしていた。
1989年の「横浜博覧会」の時、駅前の貨物線線路は横断に不適当とされ、臨港線はすべて廃止されることになった。この時、問題となったのは、1960年代の山下ふ頭への延伸の時、国から10億円の補助金をもらっていたこと。幸い、廃止申請すると、当時の運輸省も「目的は果たした」で返還せずにで転用できた。
現役で利用されていた時の映像がある。太平洋戦争の開戦から終戦までを描いた東宝映画による1984年の『零戦燃ゆ』で、早見優が橋爪淳と会うシーンの背景に見ることができる。(文中敬称略)
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