神奈川県警の防犯応援大使として活躍する漫才コンビ「世界事情」の 桶谷 篤嗣(あつし)さん 上菅田中出身 43歳
売れるまで諦めない
○…「柔らかく噛み砕いて、面白おかしく防犯の知識を伝えていければ」。神奈川県警と連携し、防犯啓発を目的に活動する「お笑い防犯軍団ツナコメ」に所属する漫才コンビ「世界事情」でボケを担当し、県内各地で笑いを交えてオレオレ詐欺やマイナンバー詐欺などの被害防止を呼びかけている。昨年7月には、県警が主催した「お笑い防犯グランプリ」で優勝。「防犯応援大使」に任命され、10月には故郷・保土ケ谷で初めて舞台に立った。
○…29歳の時、それまで勤めていた出版会社の同期だった現在の相方・阿部剛さんに、「会社を辞めてお笑い芸人になりたい。相方になってくれないか」と誘われた。「人気者になれるから」と口説かれたが、「実際はそんなこともなく、オレオレ詐欺ならぬ『アベアベ詐欺』だった」と取材中もユーモアたっぷりに話す。
○…13歳で名古屋から西谷へ移り住み、上菅田中、光陵高で青春時代を過ごした。横浜を象徴する港のイメージとかけ離れた「田舎らしさ」に最初は驚いたという。「保土ケ谷は坂も多く、権太坂のせいで何回遅刻したかわからない」と笑いながらも、「長閑な景色や坂の頂上から見える富士山、無人販売で買った新鮮な野菜に感動した」と懐かしむ。当時の友人や両親には、「結果を出すまでは」と芸人の道に進んだことは知らせていない。「いつか全国放送に出演して、画面越しに報告したい」
○…昼間は芸人として働きながら、家族を支えるため夜はコンビニでアルバイト。「舞台でうまくいかず、落ち込んで帰ってきた時に、誰かがそばにいてくれることはありがたいこと」と妻の支えに感謝を語る。休日は、妻が好きなアーティスト「ゆず」の歌詞に登場する桜木町などを辿る「横浜巡り」に夫婦で繰り出すという。「芸人として成功することは、宝くじに当選するほど難しいことでもあるが、やるからには頂上を目指したい」と前を見据えた。
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