「第43回全国日本中学校陸上競技選手権大会」の男子砲丸投げで5位に入賞した 鈴木 愛瑾(あいじん)さん 上菅田中学校 3年
感謝を胸に日々前進
○…「記録を16m後半まで伸ばし、メダルを持ち帰りたい」。参加標準記録を突破し、10月のジュニアオリンピック陸上競技大会へ今年も出場する。昨年は予選敗退し、悔しさをバネに猛練習。今年の全中で思いをぶつけ、15m13cmと自己ベスト記録で5位に入賞した。「自己ベストでも頂点に届かず、壁は高いと感じた」。夢は「砲丸投げで全国の頂点へ立つこと」。瞳に静かな闘志が伺える。
○…小学3年生の時、友人に誘われ同校陸上部の早朝練習で砲丸投げを体験。緊張しながらも投げて記録が伸びていくことに楽しさを覚えた。「この陸上部に入りたい」。やりたいことを見つけた瞬間だった。9歳離れた兄も同校陸上部の砲丸投げで活躍していた。今夏の県大会は、兄が残した大会記録を塗り替えて優勝。兄が打ち立てた県中学生記録まではあと5cm。「このまま練習を重ねていけば手が届く記録。頂点を狙う中で超えていきたい」
○…親の転勤に合わせ、小学2年生まで中国で過ごした。保土ケ谷へ居を移すと日本語教室に通いながら小学校へ。2カ国語を忘れないよう家の中では中国語で会話をするのが家訓だ。現在、受験を前に苦手な早朝も放課後も練習に励み、夜は塾へ。帰宅後も夜遅くまで勉強する姿に両親はお菓子でエール。近所に住む祖父も心強い応援団の一人。食べ物を家まで届けに来ることもしばしば。「じいちゃんは自分が買ってきた肉のおかげで勝てたと言うんです」。少年らしい笑顔に家族への感謝が感じられる。
○…夏休み中も兄の母校へ通い練習を重ね、合宿にも参加。「体は疲れるが、心は充実感がある」。練習に付き合いアドバイスをくれる兄や兄の恩師、チームメイトや顧問の先生に対しても感謝は尽きない。「色んな人に結果で恩返ししたいという気持ちは、プレッシャーではなく原動力」。そう真剣に語るも「でもまだまだ。朝も弱いし」と苦笑い。挑戦は始まったばかり。
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