県立保土ケ谷公園で1月31日まで和紙ちぎり絵展を開いている 佐藤 抄子さん 花見台在住 66歳
感謝の念 和紙に重ねる
○…「どこまでちぎり絵で表現できるか常に考えています」。ボランティアで区内を中心に和紙ちぎり絵を教え、県立保土ケ谷公園内のギャラリースペースで、日本画の模写作品など生徒らの作品を含む23点を展示している。和紙ちぎり絵独特の風合いと世界観が話題を呼び、連日多くの来場者を集めている。
○…20年前、退職を機にちぎり絵を習い始めた。「油絵や水彩画のように変幻自在に表現できる」とその魅力にのめり込み、どこまで和紙で表現できるか挑戦を楽しむように。15年前からは、地域に家に閉じこもりがちな高齢者がいることを心配し、「和紙ちぎり絵で交流の場を」とボランティアで教室を主宰。区内を中心に30人の生徒をもつ。「わたし結構おしゃべりだから、生徒さんが集中して黙った時は、『みんな息してる?』とか話しかけちゃうの」と屈託のない笑顔を見せる。
○…長崎県出身。陶芸家の父の工房に来客や友人が集う環境で育ち、社交性が身ついた。チョコレートの包み紙をきれいに保管し、クリスマスには飾りつけを作るなど、幼少期から紙は身近な存在だった。「今でももったいないと思ったら、お菓子の空き箱にちぎった紙を貼ってみたり、包装紙を再利用したりする」という。教室について、「最初は生徒さんの居場所づくりのためにと教材を作ったり、教えていたつもりだった」と振り返り、「最近は、自分の居場所にもなっていることに気が付いた。生徒さんの存在に助けられている。本当にやってよかった」と微笑む。
○…「教えるのが好き」というが、疲れて帰ってくる日も。そんな時、元教師の夫は「『教えるって大変だろ』って優しく声をかけて労わってくれる」と深い感謝の思いを滲ませる。夫婦で出かける海外旅先でも景色を「ちぎり絵で表現できないか」と常に思考している。「本当に好きだなとつくづく思う。これからも、楽しみながら続けていきたい」
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