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鶴見区歯科医師会インタビュー 緊急保存版 コロナ重症化 防止策に口腔ケア 放置は危険 正しく恐れ来院を
新型コロナウイルスの影響で歯科診療を敬遠し、虫歯やクリーニングをせずに放置する人が増えているとして、鶴見区歯科医師会(佐藤信二会長)が警鐘を鳴らしている。「放置することで重症化のリスクが高まることもわかってきている。正しく恐れて定期的な通院を」と話す佐藤会長に、コロナ禍の歯科診療について聞いた。
感染対策が基本
――一時は、歯科医院は感染リスクが高いという報道もあったが?
「緊急事態宣言中の報道により、ほとんどの診療所で来院者数が5割以上減少しました。通院に関しては解除後の現在も以前の状態には戻っていません。
流行当初は今よりも未知の部分が多く、厚労省から歯科の定期健診に自粛要請もありました。それは私たちが治療で使用する超音波機器などの感染リスクが高いとみなされていたからです。
しかし、私たちは日常的にあらゆる感染症や基礎疾患を想定してむし歯や歯周病の治療を行っており、また感染対策の基本であり世界的な標準である標準的予防策(スタンダードプリコーション)を徹底しています。
そのことから、今現在(6月14日)、歯科医師や衛生士から器具や治療を介して感染したケースは一例もないのです」
健康に影響大
――放置すると何が危険なのか?
「新型コロナに感染する不安から、外来もそうですが、施設や在宅の高齢者の方が受診や訪問診療を控えるケースが相次ぎました。
通院されていた方はお分かりになると思いますが、ご自分だけではお口の中のケアが行き届かない部分が多く、順調だった治療が中断することにより一気に振り出しに戻ることもあり得ます。
特に歯周病の進行は、全身の健康に影響を及ぼし、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病等を悪化させる可能性があります。中でも高齢者の方は、定期的なメインテナンスが中断することで、お口の細菌による誤嚥性肺炎のリスクが高まります。
私の診療所では、普段から定期健診にいらしていた方が通院を遠慮してしまい、お口の中の痛みを自己判断で1カ月以上我慢してしまいました。
我慢できず来院したときにはお口全体が白くなっており、急きょ大学附属病院に紹介することになってしまいました」
誤嚥性とダブル
――重症化も考えられるのか?
「近年の情報では、お口の中の状況が、全身の疾患につながることが証明されてきていますが、新型コロナも同様のようです。
舌を含めたお口の中が汚れることで誤嚥性肺炎は起きやすくなり、新型コロナウイルスによる肺炎と同時に発症することで、より重症化しやすくなることがわかってきました。
適正に口腔ケアを行っていないと、ダブルパンチとなる可能性が高いということです」
――子どもも注意が必要ということだが。
「長期間の自粛で生活のリズムも乱れて、歯磨きをしない子や、間食で菓子類を食べていた子どものむし歯や歯肉炎のリスクが高まります。
その結果、将来的に歯を失ったり、様々な病気を引き起こすことにつながりかねません」
――歯科医師会としての対策は?
「神奈川県歯科医師会、横浜市歯科医師会とも対策室を設け、全会員に毎日のように新たな情報を共有する仕組みができています。
新型コロナの流行状況、段階、治療内容に応じた防護体制を想定し、作成した指針に基づいて各医院で取り組みを進めています。
私たち歯科医院も、新型コロナウイルスの対策として、今できることを精一杯行っていきます。
歯科診療は、決して『不要不急』ではありません。
新型コロナの重症化予防、誤嚥性肺炎予防のためにも通院、または訪問診療を利用してください。今回当会がお示しする『4つのお願い』をもとに、正しく恐れながら、ご自身の健康のために歯科を活用してもらいたいと思います」
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