高津区文化協会文芸部門俳句部長として高津文芸祭「俳句大会」の責任者を務める 田村 葉(よう)さん 下作延在住
いのち感じる俳句を詠む
○…2008年の開始から年々参加人数や投句数は増加、今年で4回目を迎える俳句大会の投句締め切りが迫る。これまでの「ふるさと」に加え今年は二ヶ領用水竣工四百年と岡本太郎生誕百年ということもあり「水」「岡本太郎」をテーマにした句も募集した。12月の発表大会を控え、「大勢の方たちが、一生懸命俳句を作っている姿を想像するとワクワクする」と瞳を輝かせる。
○…川崎市内の小学校で教師をしていた時、海外の人から俳句のことを聞かれ答えられず、「自国の文化を理解しなければ」と俳句の研究を始めた。すぐに五七五のリズムと日本語との調和に魅せられ、帰国子女の児童を教える授業にも取り入れた。「日本語を覚えたての児童が、俳句で表現できることに感動を覚えた」。定年間近に俳句教室で本格的に学ぶとこれまでの日本語や俳句の研究、独特の感性を活かし数々のコンクールで賞を獲得。俳句の短期講座から生まれた「高津萌句会」など4つの団体のアドバイザーも務める。
○…大山街道沿いにあった海産物の卸問屋に生まれ、幼少期から高津で育つ。多摩川で近所の男の子と魚を捕ったりする活発な少女で、幼稚園で習い始めたバレエは高校まで続けた。大学時代に知り合った夫に薦められて同じ高津区文化協会に入会し文芸活動にいそしむ。二人の息子家族と揃って旅行をするのが楽しみの一つ。「小学生の孫たちが俳句を作って、投句してくれたの」と嬉しそうに孫の作品を読み上げ、優しい祖母の表情を見せる。
○…震災被害を考慮し「水」というテーマを避けようかと悩んだが、「多くの命を育む水は欠かせないもの。被災地を思う句もたくさん寄せられるでしょう」とテーマに残し復興を願いながら投句を呼びかける。「俳句を作ろうとする意欲は、人が前向きに生きようとする意欲を掻き立てます。命を実感できる俳句文化の継承に努めたいですね」
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4月26日