12月5日(水)から始まる「第11回美術工芸小作品展」に出展する 上口 千恵子さん 新作在住 60歳
「人との縁があってこそ」
○…高津区などで活動する芸術家15人が集まる作品展に出展を続け、今年で4年目を迎えた。友人から頼まれて作っている店内ディスプレイ用のミニチュアクラフトを出展する。「私の作品はほかの方々が作った雄大な作品の中の一つに過ぎない。みなさんの作品と一緒に楽しんでもらえたら」と謙虚に話す。クリスマスなど季節に合わせた家具や小物を約11分の1の大きさで作る世界は精巧で優しく、見る人を楽しませる。「百聞は一見にしかず。まずは見て欲しい」
○…クラフトを始めたのは小学生の頃、体が弱く外で遊ぶことの出来なかった妹を楽しませようとしたことがきっかけ。もともとプラモデルやジオラマの制作など細かい作業が好きで、バイクショップや昔の町並みなどをテーマにミニチュアクラフトを作製。「オートバイや学校の理科準備室が好きな不思議な子でした」と笑う。30年以上前、元気になった妹に勧められドールハウスクラブに入会し、国内や海外で展覧会を開くと多くの称賛を集めた。
○…1952年群馬県に生まれる。「落ち着きが無かった」と振り返る幼少期。「でも丁寧に育ててくれた母親や教師に恵まれ、思うように歩んできた」と感謝の気持ちを表す。子どもの頃から算数が得意で「今も趣味は数学」と数学検定コーチャーの資格を有し、1997年からは「もう一回算数・数学」という講座を区内で行う。現在は夫の介護のため、講座数を減らしているが「もっと教えて欲しい」という声は絶えない。
○…「これまで人との縁で生きてきました。これからも人との関わりで、流れるまま生きていけたら」。35年前に高津区に移り住んでからは、まちづくり協議会や高津区文化協会に所属するなど「人から人につながることで充実感を得られた」と”人との縁”を強調する。「いずれはクラフトや数学の講座を増やし、もっと人との触れ合いを増やしたい」。優しく微笑んだ。
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4月26日