高津区に拠点を持つ川崎市精神障害者家族会「あやめ会」の理事長を務める 星野 ノリさん 中原区在住 74歳
「心の健康、支えたい」
○…精神障害者を家族に持つ市民で構成されたNPO法人「あやめ会」(1969年設立)の理事長として、障害者を育てる家族の「心の健康」相談などに尽力。「話を聞いてもらうだけでも気が楽になる人が多い。相談というより話し相手になっているんです」。高津区久本にある施設「ちどり」を拠点とする同会で活動し23年。面談や会合の予定をびっしり書いた手帳が多忙な日々を物語る。
○…現在の新潟県十日町市生まれ。「幼いころは体が弱くて、お手玉や編み物を楽しんでいました」。布団屋を営んでいた実家で寝具の縫製を手伝い、裁縫の技術を学んだ。18歳からは郵便局の電話交換士として勤務。25歳のとき、結婚を機に川崎市に移り住んだ。2男1女に恵まれ、子育てに奮闘していたある日、当時22歳だった長男の「統合失調症」発症を知った。「誰に相談していいのか分からなかった」。知人の紹介であやめ会に入会。「それまでは『泣きの涙』でいたけど、会のメンバーに話を聞いてもらい気が休まった。家族会は絶対に必要」
○…趣味は和裁や編み物。市内の和裁学校を卒業し、師範として着物の縫製を教えたこともある。休日はセーターの手編みなどを楽しんでいる。健康維持のため、50歳からはウォーキングを始めた。以来ほぼ毎朝、午前3時50分から同5時まで、多摩川の土手など5キロ半の道のりを歩いている。「自分が健康でないと、面談のときに元気に相談を受けられないですからね」と笑顔を見せる。
○…3月6日(水)にはエポックなかはらで公開講座を開催。精神障害への理解促進を目指す。今後の課題は、あやめ会のメンバーを増やし、後継者を見つけること。そして「精神障害に対する偏見を無くしたい」と語る。「悩みを抱えている家族の力になること。それが回り回って、これまで自分を助けてくれた多くの人たちへの恩返しになると思っています」
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4月26日