「〇〇×ノクチ」で地域の交流を仕掛ける 松田志暢(しのぶ)さん 区内不動産会社勤務 25歳
「よそ者だからこそ楽しむ」
〇…「溝口へ移り住んできた人が、街に愛着を持って生活してもらいたい」。溝口の不動産会社に勤務し、芽生えた思いから企画した「○〇×ノクチ」。実行委員のメンバーは自分一人。〇〇にキーワードを入れて溝口の魅力を近隣住民で楽しむという意味で名づけた。先月企画した「麦×ノクチ」は高津区産クラフトビールで主婦や経営者らが乾杯し盛り上がりを見せた。「職場や学校とは違う、第三の場所が必要。『知らない』だけで地域は面白い。それを伝えたい」と笑う。
〇…不動産会社エヌアセットに入社して4年目。賃貸の営業で「長く住んでもらうためには」を考えた。「不動産屋は最初に会う地域の人。その人が『この街面白いよ』って腹に落とし込んで伝えることが大切」。自身も就職と同時に移り住んだ「よそ者」。街を知るため会社の先輩の紹介で溝口神輿渡御部に参加。肩をすりむきながら毎週、神輿担ぎに出かけた。「一見怖かった神輿の人たちも、情に厚く優しい」。一歩踏み込むことで街の魅力を感じることができた。その姿勢を会社が後押しする形で、昨年新設された「ワクワク広報室」に抜擢。住み続けてもらうため、地域の魅力を発信する。
〇…出身は函館。「同級生は6人だった」という子ども時代、地域の大人たちが面倒を見てくれる環境で育った。高校進学と同時に下宿生活。帰省する度に「地域のおじさんやおばさんが、帆立やアワビをどっさり持たせてくれて」と笑う。一方で「人の流れが減っていく様子も目の当たりにした」と寂しさを感じた。「街を元気にする地域づくり」を考えるきっかけとなった。
〇…大学時代に知り合った婦人と二人暮らし。もうじき一児のパパとなる。「もう、そわそわしっぱなしで。名前も考え中です」と嬉しそう。守る家族が増え、仕事にも一層身が入る。「取り組みを続けることが大事。よそ者だからこそ、住む街を知り一番楽しんでいきたい」
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4月26日