4月1日付で高津消防署長に就任した 鈴木 富夫さん 麻生区在住 57歳
市民のために力を尽くす
○…消防の道に進み35年になる。高津署勤務は2回目。3月31日までは市全体に関わる消防施策などを検討する消防局総務部に在籍。東日本大震災の際には消防と市災害対策本部の連携を図った。また被災地への緊急援助隊の人選会議にも関わった。「今回の震災で、救助、消火、後方支援など全て自己完結で動ける消防署員に誇りを感じるとともに、層の厚さを実感しました」
○…学生時代に警察か消防かで迷い「生まれも育ちも川崎。より地域密着の仕事がしたい」と市内で働ける消防の世界に飛び込んだ。中原署の救助隊として前線で活動し、昭和60年頃には高津署の救助隊隊長に。その後、麻生区へと異動してまもなく起こった平成元年の蟹ヶ谷地域のがけ崩れには特別な思いを抱いている。「崩壊で高津署の救助隊3人、苦楽を共にした仲間が犠牲になりました。異動が無かったら私も現場にいたことでしょう。この事故は心に深く刻まれています」。その感情を胸に、救急救命士の育成や災害対策など幅広く経験を重ね、危機管理の分野でも深い知識と見識を身に付けてきた。
○…現在は生まれ育った麻生区で一人暮らし。「夜は弟が営む飲食店で飲むのが日課」とのことだが、震災後は休み無く職務に専念していた。「お酒も大分断ってますね。呼び出しがあったらすぐに飛んでいけるよう準備は怠りません」と常に気を引き締めている。
○…高津署のトップとして2つの柱を掲げる。「一つは合理性と情理性のバランスをとった仕事を。一つは横断的な取組みを」。事務は合理的にこなし、現場では隊員のことを考え状況に応じて動くことが大切だという。また、区役所、警察署はもちろん、隣接区との連携も強化項目だ。「署単位で動くことも多いですが、仕事は川崎全域。市民のために皆で力を合わせていきたいです」。数々の分野を歴任してきたその手腕に期待したい。
|
<PR>
|
|
|
|
|
|
5月3日