インドネシア出身で、子母口富士見台町内会の文化祭に今年初めて書道作品を出品した ステジョ・ヘルベルトさん 子母口在住 35歳
書で国際交流「日本に感謝」
○…「展示を通じて地域の皆さんと交流できるのが嬉しい」。10月7、8の両日、プラザ橘で行われた子母口富士見台町内会(佐野三男会長)主催の文化祭に初参加した。外国籍で唯一の出品者として書道作品3点を展示。絵画を思わせる大胆な書体で注目を集めた。「近所の人に誘われて出品した。来年も文化祭に参加してみたい」。日本に滞在して17年。国際交流を深める喜びを、流ちょうな日本語で語る。
○…インドネシア第2の経済都市スラバヤ出身。幼いころから人物画などの創作が大好きで、色や形で自己表現できる絵画の魅力に引かれた。日本で絵を学びたいとの思いが芽生えたのは、中学1年のとき。日本留学を目指していた兄の突然の事故死がきっかけだった。「兄が果たせなかった夢を僕が叶えたい。日本は、経済もデザイン分野もアジアで一番発展している。日本で芸術を勉強したい」
○…1995年、19歳で来日し、日本語学校で1年半学んだ後、都内の大学に進学。デザインを学びながら、大学4年から文部科学省の国費留学生として奨学金を受け、修士課程も修了した。日本語の学習は苦労の連続だったが「せっかく留学のチャンスを頂いたのだから」と懸命に勉強を続け、無事に都内の大手ゲーム会社に就職。CGを駆使したキャラクターデザインを任された。現在はインターネット上のアプリケーションのデザイナーとして芸才を発揮している。「働いて日本に貢献することは(奨学金を受けていた)学生時代の恩返しだと思っている」
○…書を始めたきっかけは留学当初、一人の書道家との出会い。生きている動物を連想させる躍動的な作風に目を奪われた。創作を続け、現在では書の四大展の一つ「産経国際書展」に毎年出品する腕前。新たな自分を発見させてもらえた「日本に感謝」。「これからも、外国人じゃなく『国際人』として、芸術の世界で勝負したい」
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4月26日