高津市民合唱団の団長として設立25周年に臨む 田村 富彦さん 津田山在住 71歳
人と響きあう活動を
〇…「地元の人に楽しみにしてもらえること、足を運んでもらえることがすごく嬉しい」。毎年2千人近く訪れるミューザ川崎で開催する定期演奏会について語る。設立25周年の節目となる今年6月の定期演奏会は、県でも有数の合唱団・坂戸小学校と共演する。「共演はひとつの夢だった。次世代に歌をつないでいくことがテーマ」。プログラムには編曲の美しい日本の歌が並ぶ。「充実した演奏、聴衆と一緒に作るステージに」と意気込みを語る。
〇…立ち上げのきっかけは46歳の時。「一生に一度は第九を歌いたい」と地域仲間とともに前身となる「第九を歌う会」を結成した。実はこれまで合唱の経験はない。ミッション系学校へ通った学生時代、聖歌隊への誘いに「そんな軟派なことはできない」と突っぱねたが、合唱の美しさは心に残っていた。チラシ作成や行きつけのスナックでも声をかけ、メンバー集めに奔走。集まった入会者は200人以上になった。「目指すは『本物の第九』」と、ドイツ語の発音、響きある声にと1年間徹底して練習を重ねた。自身初の大舞台は「響き合う喜びを感じ本当に感動した10数分間だった」。
〇…出身は八王子。結婚を機に溝口へ移り住んだ。編集記者として出版社に勤務。主に教育関係の本を手がけていた。「土曜夜、合唱団の練習後、職場に戻って原稿を書くこともあったね」と懐かしむ。子どもの学校の広報委員や少年野球チームのマネジャーなど地域活動にも参加してきた。「声をかければ快く協力してくれる。この地域は人気(じんき)がいい」と笑う。
〇…二人の息子は独立し、現在妻と二人暮らし。妻は俳句の師範を務め、互いに忙しい日々。「一緒にいる時間は朝食ぐらい」と笑うが、「25年、支えてくれた家族には本当に感謝」と語る。今後は「もっと大曲に挑戦していきたい」と意欲を見せる。「ハーモニーを奏でる、こんなに至福の時はないからね」
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5月3日