高津区保護司会の会長に就任した 赤津 武雄さん 久地在住 73歳
向き合い、信頼を築く
○…犯罪や非行をした人の更生を支援する保護司に就いて34年。出会った対象者は100人ほど。「更生に導くのは人生のライフワーク」ときっぱり言い切る。区内保護司会の代表を春から担い、研修会や警察との情報交換、薬物乱用の防止啓発運動など忙しい日々。定員が不足する会の現状に「人材の確保を最優先」と気を引き締める。「寛容と忍耐、傾聴と受容の精神で対象者との信頼を築いていく」。それが保護司だという。
○…きっかけは39歳の時。地元の先輩から推薦された。暴走族全盛期で無免許運転などで捕まる少年らと向き合うことが多かった。自身も大のバイク好き。『俺もハーレー乗っているよ』、そう語りかけると少年らの警戒心がほぐれていった。心がけたのは「怒らない」こと。「自分の行動に責任を持つことを伝えていかなくては」。自分の子どもと同世代の対象者に「二度と犯罪はさせない」という思いだった。約束を破られる、音信不通は日常茶飯事。それでも「彼らが社会復帰を果たし『先生のお蔭です』なんて言われるとやっぱり嬉しい」と顔を綻ばせる。
○…生まれは溝口。父親が電気計器部品の製造会社を立ち上げ、36歳の時に引き継いだ。夢中で働きながら、高津青年会議にも参加。区民主体で行う第1回区民祭の開催に携わった。その働き振りを見た先輩が保護司に推薦。「思えば青年会議が地域とつながるきっかけだった」と振り返る。人脈は広まり、現在は区文化協会副会長、高津ジャズ協会会長を務める。
○…バンドやツーリングなどの趣味から、日本の司法を学びに来るアジアの研修生の支援など充実した日々を送る。「いろんな付き合いがあって忙しい」と笑う。柔和な雰囲気が人を惹きつけるようだ。現在の楽しみはアメリカに住む孫とのスカイプ。「ぐっと大人っぽくなったんだよ」と爺の顔。「人に接する時は春風のごとく」を信条に、人と触れ合い、関係を築いていく。
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5月3日