今春、高津区役所橘出張所の所長に就任した 村田 俊一さん 千年在勤 58歳
地域の郷土愛を見守る
○…川崎市職員として35年間勤務。32年ぶりに橘の街に戻ってきた。「街の風景は変わったが、地元住民の熱い郷土愛は昔と同じ」とにっこり。ホタルの観察会など、地域の催しに参加すると伝わってくるという。「あと2年で定年。橘で始まり、橘で終わるのも何かの縁。社会人としての土台をつくってくれた場所に恩返ししたい」と思いを語る。
○…入庁は1984年。橘出張所に配属され、住民票の発行業務などを任された。当時は凶悪犯罪で捕まった犯人が住民登録されていたことで、夜中に新聞記者が訪問。マスコミ対応に追われた。「新卒で右も左も分からなかったから大変だった…」と当時を振り返る。橘出張所に3年間勤めた後、本庁の総務企画局などでキャリアを積んだ。「どこの部署に行っても最初の3年間が励みになった」と話す。
○…勤続35年。これまで様々な境遇の人を窓口で対応。市営住宅の家賃滞納者などの相談も親身に受け付けてきた。時には強面な男性から無理難題を押しつけられ、唾をかけられるなどの辛い体験もしたという。それでも無理なことは無理だとはっきり伝えることが大切だと力強く語る。穏やかな人柄の中に芯の強さを感じる。「どんな人でも誠意をもって対応すれば理解してくれる」
○…月3回、父兄で構成する地元横浜市のバスケチームで汗を流す。メンバーとは子どもの学童保育で出会い、気心の知れた仲だという。「それぞれ勤務地などが違っても地域を思う気持ちは一緒」と語る。「地元のつながりを大切にする心を橘の皆さんに教わった」。現在は、今年で40回の節目を迎える「橘ふるさと祭り」の準備に明け暮れる。「主役は地域の皆さん。祭りが盛り上がるように自分はサポート役に徹したい」と話す。
|
<PR>
|
|
|
|
|
|
5月3日