寺子屋と子ども食堂を始めるNPO法人「地域で子どもを育む会」の代表を務める 小畑 睦さん 久本在勤 55歳
今やれることを全力で
○…やれることを全力でやる、「これが私のミッション」。外国人講師を小学校に派遣する仕事柄、学校に足を運ぶ中でコロナ下の子どもたちの状況に危機感を覚えた。「小さなつまずきの手当てと、居場所づくりが急務」。仲間に声をかけ法人を立ち上げ、9月に久本神社で「寺子屋」をオープンする。「みんなとはいかなくても地域の小学生に、家庭では手が届かない部分の助けができれば」と迷いはない。
○…転勤族の父のもと大阪に生まれ各地を転々とし、小学校卒業後はハワイに移住。駐在員の家族は私立に通うのが通例だったが「全寮制が嫌で」公立校へ。言葉もわからず友達もいない中、学校には移民や難民など多様な境遇の子がいた。教会文化が根づきボランティア精神が旺盛な国の反面、銃社会でもあり身の危険を感じることも。全ての単位を取り、17歳で高校を卒業するも「勉強はしていないに等しいから、日本で育った人がうらやましい」と、学びへの思いも口にする。
○…短大卒業後はJALに客室乗務員として15年在籍。中東やヨーロッパなど各国を飛び回った。「まるで水族館のよう」に美しいニュージーランドの海や、往年の名優オードリー・ヘプバーンが搭乗した時の興奮を懐かしむ。今は子ども向け英語教室と派遣業の2足のわらじ。「かまいすぎて(自身の)子どもたちが根ぐされを起こしちゃうから、愛情を分散させたくて始めた」と笑う。
○…昨年12月に立ち上げた法人は「10年は続けたい」と前を見据える。夫に渡した新しい名刺は、気づくと書斎に飾られており、社会人となり離れて暮らす娘もクラウドファンディングに協力してくれるなど、家族の支えを実感する。「まずは5年、全力投球」。新たなスタートを切る。
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5月3日