川崎市は今月1日から、道路の劣化診断にAIを導入する実証実験を中原区で始めた。現状は目視での見回りに留まるため、正確性と効率性を上げるために日本電気株式会社(NEC)と市で連携し取り組む。期間は3月末までで、有効性が認められた場合は今後、導入を検討する。
同社が開発したシステムは、見回り時に車に設置したドライブレコーダーが取得した映像データをAIが自動で解析し、路面上のひび割れや凹凸を推定するもの。異常が発見された場所は地図上で表示され、取得した映像データとともに場所と状況を確認できる。市建設緑政局の担当者は「道路上の異常は、自転車の転倒の原因になるなど事故につながる可能性がある。目視の場合、見逃してしまうこともあるのでより正確な把握に期待している」と話す。
現状は区道路公園センターの職員が週4日ほど1日平均40から50キロメートルを巡回。外部に委託している道路状況のデータ解析とあわせて道路の維持に努めている。
NECの広報担当者は「道路は老朽化対策のため、適切なメンテナンスが欠かせない。機器を取り付けて走行するだけで路面状況を調査できるので、道路上の異常の効率的な確認や修繕計画の立案に生かしてもらえたら」と話す。
オンライン通報で早期発見目指す
市は昨年末から、道路上の異常を発見した場合に市ウェブサイトから通報できる取り組みも行っている。公園や河川での器物の損傷も含む。実証実験で市民から寄せられた意見を踏まえ、写真の添付も可能。市の担当者は「電話のみの受付だった2018年度は市内で約2万7千件もの通報があった。オンラインを活用し、効率的なインフラの管理に努めていきたい」と話す。
![]() 車に設置したドライブレコーダー
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