歴史的な快進撃で世界を魅了したラグビー日本代表は、アジア史上初のベスト8で大会を終えたが、その後も世界最高峰の白熱した試合を展開するラグビーW杯日本大会。まだまだ日本列島のラグビー熱が冷めやらない中、あす11月2日(土)、横浜国際総合競技場で過去2度の優勝を誇る南アフリカと、2003年以来の優勝を狙うイングランドによる最終決戦が繰り広げられる。
W杯開催にちなみ、市内のラグビーにゆかりのある人物にスポットを当てる本コーナー。今回は歯科医師として市内のラグビー少年のためにマウスピースの製作を担う池田馨さんと、塗装工事業に従事しながら、ボランティアでタグラグビーを子どもたちに伝える大野貴洋さんを紹介する。
生涯、ラグビーとともに
「当時は練習中に水を飲むことを禁じられていた時代。噛まれたり殴られたりして痛いのが当たり前だし、上下関係も厳しくて辛い思い出ばかり」
そう苦笑しながら高校時代を振り返るも、還暦を超えた現在もラグビーへの情熱は失っていない。
御年61歳、この夏から大学時代の仲間に誘われ、7人制ラグビーに挑戦している。「体力的にきつくて途中でリタイアすることも。でも、仲間と汗を流すことは気持ちが良いですね」と微笑む。
大和市出身。桐蔭学園高校ではラグビー部へ。パワーと器用さを求められるフッカーを任され、スクラムの舵取りを行った。3年夏の関東大会では走力と突破力による活躍が評価され、全国精鋭が集まる強化合宿メンバーとして声が掛かった。「体格差もあり、実力差を見せつけられました」
大学卒業後、一旦は企業に就職するも、歯科医師を目指して20代後半で鶴見大歯学部へ進学。再びラグビー部で年下の仲間と切磋琢磨したという。「我慢ばかりで嫌だと思っていたのに不思議なものです」
息子も「海老名ラグビースクール」を経て桐蔭高で活躍、現在は日大ラグビー部のスタッフを務めている「ラグビー一家」。
歯科医になった今では、同スクールに通う生徒のマウスピース製作に携わるなど、これからもラグビーとともに歩み続ける。
仲間づくりの場
市内本郷にある「南えびなアリーナ」で行われているタグラグビー教室。「集合!」-。子どもたちの賑やかな声とともに、どっしりとした低い声が響き渡る。その声の主が大野さんだ。
ラグビー歴は中学時代から。転勤族家庭で、関西から藤沢、奈良…と引っ越しを繰り返す中、出合ったのが目の前にあったラグビーだった。高校時代は無名の合同チームだったが、爪痕を残そうと磨きをかけ「県選抜選手」になるなど、実力をつけた。その後、大学・社会人でもラグビーを続け、多くの仲間とともに汗を流した。
「ポジションによって求められるプレーが変わってくる。自分の立ち位置をしっかりと把握し、チームの為に動く。そんなところが面白いですね」と笑顔で語る。
自身が考える人生設計を辿る形で32歳のときに独立し、塗装工事全般を取り扱う企業「TRY PAINT」を立ち上げた。仕事やボランティアとしても海老名に貢献する中、子どもたちにラグビーの良さを伝えようと、昨年10月には教室を開講。タックルがないなど初心者向けの”タグラグビー”を通じて、競技の魅力を伝えている。「スポーツを通じて、かけがえのない仲間が作れる。そういう場を提供したい」
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