国の文化審議会が20日に開かれ、海老名市上郷の嶋崎家住宅の主屋と離れの2棟を含む全国104件、神奈川県内では8件の建造物を国の登録有形文化財に登録するよう文部科学大臣に答申した。官報公示を経て正式に登録される。海老名市内の登録有形文化財は2018年の「旧今福家住宅」の3件に続く2例目。
登録有形文化財とは、建築物や土木構造物などのうち原則として築50年を経過し、(1)歴史的景観に寄与しているもの(2)造形の規範となっているもの(3)再現が容易でないもの-を国(文化庁)が登録する制度。
今回、登録が答申されたのは個人住居の嶋崎家主屋と離れの建築物2棟。市によると嶋崎家は、上郷の集落に江戸時代から居を構え、農業や養蚕を営み、旧海老名村のころには村会議員や村長なども務めた。
主屋は明治後期に建設された大型の民家。1850年ごろから1912年にかけて建てられた県央部の大型民家に多く見られる喰違六間取形式で、建築当初の屋根はかやぶきだったが、1926年頃に鉄板ぶきに改修され、現在は銅板ぶきになっている。正面縁側のガラス戸の腰部分には細かい市松模様の装飾が見られる。建築を担当した大工は旧海老名村役場の温故館(国分南1の6の36)を建築した藤井熊太郎とされ、「洗練された近代の上質な民家建築」(文化審)と評価された。
離れは1928年に主屋の隣に建築されたもので、8畳2室の続き座敷に水屋などを備えている。他にも主室回りの柱に年輪幅の狭い四方柾の杉材など「材料を吟味し意匠を凝らす」(文化審)とされた。
海老名市は「明治時代末期から昭和初期の建築様式を残す貴重な建物。今後も適切な保存が出来るよう、所有者の方と協力していきたい」と話している。
嶋崎家住宅は個人所有で現住居のため非公開。
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