太陽光を利用する加熱調理器具「ソーラークッカー」の普及活動を続けている綾瀬市の鳥居ヤス子さん(89)=上土棚北=が、11月21日にオンライン開催された「2020年度気候変動アクション環境大臣表彰」を受賞した。
表彰は環境省による地球温暖化対策の一環として1998年に始まった。顕著な功績のあった個人や団体への褒賞として実施し、23回目の今年から表彰名がリニューアルされた。
表彰の対象は【1】開発・製品化部門【2】先進導入・積極実践部門【3】普及・促進部門―の3部門。今年度は応募総数164件から合わせて41件が表彰された。
鳥居さんは普及・促進部門の27組の受賞者に選ばれた。受賞者はコニカミノルタや佐川急便など大手企業や団体などが占める中、個人での表彰は鳥居さんを含む全国で2人だった。
エコの先駆け
綾瀬市内で息子さん夫婦と暮らす鳥居さんは、1931年、台湾生まれ。戦争中はB29による空爆から逃れるなど戦禍をくぐり抜けた。
戦後は東京の女学校に通い、台湾で学んだ広東語や英語を活かし、虎ノ門の米国大使館に勤務。結婚、出産、子育てを経て、有機農法を取材するフリーライターとして活動を始めた。55歳のときだった。
この年に訪れた米国カリフォルニアで箱型の「ソーラーオーブン」を見て「すぐにとりこになった」。
オーガニックに関する著書も2冊刊行されるなど、近年の健康志向の先駆けとなるなか、2005年に普及母体の日本ソーラークッキング協会を設立した。
昨年まではバイクに乗り各地に足を運んでいたが、今は自宅での生活を楽しむ。その中心にあるのが愛用のソーラークッカーで、晴れた日は毎日ベランダで調理する。
「お金をかけずに楽しくできるソーラークッカをもっともっと広げたい。電気やガスよりも美味しく作れる。『サンシャイン・マダム』として、まだまだ頑張る。コロナがあって賞状は自宅に送られてきたの。小泉さんと会ってみたかったのに少し残念ね」と受賞を喜んだ。
ソーラークッカーは、数百円の材料費でできるものもある。燃料不要の調理方法で災害時にも役立つという。
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