座間市は10月28日、市内で縄文時代中期のものと見られる人の顔を模した土器片が出土したと発表した。土器片は両面に愛嬌のある顔が表現され、同市は「縄文人の美に対する造詣の深さを感じる出土品」と話している。
出土した土器片は、考古学界で顔面(がんめん)把手付(とってつき)土器(どき)と呼ばれているもの。深鉢形縄文土器の口縁部に、把手状の装飾として付けられていたとされている。構造上、調理器具や食器としての使用に不向きなことから、儀式などの特別な場で煮沸道具として使用されていたと考えられている。
同市の発表によると土器片は高さ約13センチ、幅約15センチ、厚さ約3センチ。顔の部分は、半球状で両面に異なる表情が施されている。同じような顔面把手付土器は相模原市や厚木市などで出土事例があるものの、両面に顔のある形状は全国的に珍しいという。
土器片は、10月7日に同市緑ケ丘3丁目の蟹ヶ澤遺跡の東側で水道管布設替え工事の掘削中に出土した。同遺跡は、これまで縄文人の集落があったと見られており、同市では今回の出土を受けて「少人数ではなく、儀式を行うような大規模な集落があった可能性が高まった」と話している。市民への公開について同市では、現時点では検討中としている。
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