座間市の郷土史研究グループ「湘東歴史文化研究会」(鈴木義範代表)がこのほど、写真集「よみがえる座間I 座間の大凧」を発刊した。人工知能(AI)の活用で明治期からの白黒写真をカラー化し、およそ200年前から始まったとされる大凧の歴史を一冊にまとめた。
写真集は、2020年に発足55年を迎えた座間市大凧保存会(近藤昭夫会長)の周年記念として編集された。全7章構成で131ページに、271枚の写真を収録した。
鈴木代表は元市職員で、現役時代は主に市史編さんを担当。市内を回って古文書や古い写真を資料として収集しており、写真集には市所蔵や同保存会、個人で所有する写真を使用した。
人口知能(AI)を活用したカラー化は、鈴木さんのアイデアによるもの。原爆投下前後の広島や長崎のまちの様子をカラー化で収録した写真集を見たことがきっかけ。「臨場感が伝わり、景色が浮かんでくる」とAIの活用を決めた。
移り変わり紹介
座間の大凧は、子どもの誕生と成長を祝う「祝い凧」として始まった。祝い凧は、高くあがるほど縁起がよいことから、次第に大きくなったと言われている。
写真集には凧の大きさを記録した日誌も収録。1878(明治10)年には、現在と同等サイズの大凧が掲揚されていたことを示す「六間(11メートル)位大凧出来」と記されている。
その年の世情を表す漢字2文字を、赤と緑で文字書きするのも特徴。日清戦争や第1次世界大戦、太平洋戦争が行われた明治期から昭和初期の戦時中は「丸勝」「倭魂」「必勝」など軍事色が強く、戦後には国民の願いであった「復興」が選ばれたことも。小田急線が全線開通した1927(昭和2)年は小田急のマークを赤、祝の文字を緑で書くなど時代の移り変わりも紹介している。
写真集について鈴木代表は「大勢の皆さんの協力でようやく発刊できた」と話し、同保存会の近藤会長は「大凧の歴史を通じて、子どもたちの郷土愛を育むきっかけにもなる」と喜んだ。
写真集は、同市観光協会で販売している。価格は1部2500円。(問)【電話】046・205・6515へ。
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