高校生の環境保全活動を支援するプログラム「若武者育成塾」(主催/アサヒビール(株))の成果発表会で、県レッドデータブックで絶滅危惧種に指定されている日本原産の多年草・カザグルマの保護活動について発表した中央農業高校の3人の生徒の取り組みが「地域の課題解決への素晴らしい取組み」として評価を受けた。
「地元地域が抱える環境課題について」など3つのテーマで論文を募集した今年度の「若武者育成塾」には26の高校から応募があり、選考を通過した7つの高校の生徒が、夏場から年末にかけて環境問題改善プログラムに参加した。
カザグルマは相模原市内に自生地があるが、豊富な水資源を持つ箇所に生育するため、近年の宅地化などの影響により自生地は激減。環境保護団体らが保護活動を続けている。
2010年にこの団体からの依頼を受け、同校草花部では植物バイオテクノロジー技術を駆使した器官培養で増殖し、個体を保全する取り組みを進めている。現在、この取り組みを継承しているのが今回、育成塾に参加した川畑吏世さん(3年)笠原健瑚さん(3年)清水玲花さん(3年)の3人。半年余りにわたる育成塾プログラムの成果発表会に向けた検討を重ねた結果、自身らが取り組むカザグルマの保護活動をテーマに選定した。
認知度は3%
3人はカザグルマの存在をどれくらいの人が知っているのかを把握しようと135人を対象にアンケートを実施。「知っている」と答えた人は5人しかおらず、「絶滅危惧種の存在を知ってもらうことが保護活動には欠かせない」と「情報発信」を活動テーマに掲げ、テレビ番組への出演や園芸ボランティア活動などを通じて、カザグルマの存在を伝える取り組みを続けた。
この地元への情報発信と、自生地の生育場所の管理など、環境保護団体とも連携した3人を中心とした草花部の絶滅危惧種保全の取り組みが、育成塾では「地域の課題解決に対する取り組みが素晴らしい」と評価を受けた。
自生地を訪れ、カザグルマと環境問題に興味を持ったという川畑さんは「活動を通して改めて環境問題を考える機会になった。これまで学んできたカザグルマの研究の集大成が評価され、うれしい。ただ増殖ができて終わりではなく、企業や団体の協力があれば、保全活動が進んでいくことを実感した」と振り返った。
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