12月1、2日に第5回「予告篇ZEN映画祭」を主催する「湘南遊映坐」代表の 岡博大(ひろもと)さん 藤沢市在住 41歳
「2分間の魅力」を発信
○…約2分間でシンプルに映画の核心をつく。そんな予告編に魅せられ、市民団体「湘南遊映坐」を結成し、「予告篇ZEN映画祭」を主催している。第5回の節目を迎える今年はシンポジウムや宇崎竜童さんのライブといった特別プログラムを用意し、初めて2日間開催を試みる。「総合芸術である映画を通して、色々なアートに触れる機会にしてもらえれば」と語った。
○…藤沢市出身。湘南高校に入学するも「勉強を頑張り続け、大学に入り就職をする、そんなレールに乗っかって良いのか」と疑問を感じ、留年の道を選んだ。「人生について考える良い時間だった」と振り返る。その後、「新しいことに挑戦したい」との思いから開設間もない慶應義塾大学総合政策学部に進学。「興味をもったら何でも聴講」をモットーに様々な講義を受けたという。その中で講師として来ていた建築家の隈研吾さんと出会った。隈さんは、建築は総合芸術であるとし、能や絵画など幅広く文化について取り扱った。「先生の講義で人生が豊かになった。自分も芸術文化を伝えていけたら」と、大学卒業後は情報を発信できる新聞記者の道に進んだ。
○…元より好きだった映画は、放送芸能部の記者として取材活動を進める内により身近なものへとなっていった。そんな折、時代劇映画「山桜」の予告編に衝撃を受けた。「予告編で泣いたのはこれが初めて」と話し、この魅力を広めるため、2008年に映画祭を横浜で、以後は浄智寺で開催。映画の活動に集中するため昨年、会社を辞めた。
○…10年からは隈さんに主眼をあてたドキュメンタリーの撮影を開始、映画監督としての一面も持つように。震災後は、「湘南遊映坐」の活動として宮城県などで移動映画館を行った。「涙を流しながら観ている人がいて、映画の力を再認識した」と語る。「今まさに映画の難しさと素晴らしさを体感している」と目を輝かせた。
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