戸塚警察署長に就任した 新田 泰弘さん 矢部町在住 56歳
区民の目線で仕事を
○…警察官の仕事は、事件や事故などの「非日常」のことばかり。しかしそれが「日常」にならないようにと、署員に指示している。「事務的な処理ではなく、当事者の気持ちに寄り添うことが大事。戸塚警察署は、戸塚区民の目線で仕事をしていく」と誓う。今後は制服勤務員が積極的にまちへ出ることで、犯罪撲滅に務めたい考えだ。「警察は、市民のためにある」という思いを行動に移していく。
○…警察官を志したきっかけは、小学生の頃に遡る。竹刀をかつぎ道場へと向かう途中、交番の警察官に声をかけられた。「きみ、剣道は楽しいか」。交番に入り話をするなかで仲を深めた。「どんな話をしたかは忘れたが、その時から警察官が憧れになった」。その後高校で進路を考える際も、当時の情景が頭にあった。「警察には法律が必要」との思いから、法学部に進学。いったん離れていた剣道も再び始めた。「体育会の剣道部はかなり辛かったが、規律や礼儀を叩き込まれたのは良かった」。市民の模範たるべきという精神は、この時に培われた。
○…玄倉川水難事故が発生した1999年。機動隊の中隊長として現場に入り、救助のため雨が降りしきる山を夜通し登った。土砂崩れが起こり、熊に遭遇するなど、現場は「想定外」ばかり。「実践は訓練とはまったく違う。普段の訓練の大切さが身に染みた」と振り返る。この時の学びは、生活保安課長時代にあたった、伊勢佐木町の賭博店検挙につながる。「現場の状況など、何年もかけて準備を進めた。検挙できたことは忘れられない思い出」
○…趣味は園芸。種から育て、花を咲かせるまで見届けるのが嬉しい。それは部下の教育でも同じだ。警察署内の道場では、剣道を通し、若手職員との交流を深めている。「署内では話せない若手とも、道場でなら話せる。竹刀を交えながら、自分の経験や考えを伝えたい」。後進が成長し、花を咲かせる瞬間を想う。
|
<PR>
|
<PR>
4月18日