馬場のスーパーマーケット文化堂の商品を運ぶ移動販売車「とくし丸」による出張販売会が21日、馬場7丁目で行われた。近隣にスーパーがない等の理由で買い物に困難をきたす「買い物弱者」に活用してもらうことが狙い。
「買い物弱者」とは、食料品店の減少と高齢者の増加などに伴い、食品や日用品などの生活必需品へのアクセスが悪くなった人を指す。経済産業省によると現在、全国に600万人いると推定されている。
馬場町は山や坂が多く、他の地区に比べて、高齢者率が高いという。出張販売会のきっかけは馬場町第二自治会の上野泉会長から「住民が買い物に困っている」と声があったこと。鶴見区社会福祉協議会と馬場地域ケアプラザが協力し、昨年10月に同自治会でアンケートをとったところ、170人が買い物に困っていると回答した。
当日とくし丸は、困っているとの声が多かった7丁目を30分ずつ2カ所に分けて回り、計22人が買い物に訪れた。同自治会での出張販売会は2度目で、初回6月の開催時は1時間で21人(内4人は見学)が訪問した。
双方に好都合
とくし丸は今まで登録者の自宅へ1軒1軒回っており、1日で回れるのは20件ほどだった。文化堂の販売促進部・宇佐見定行さんは「出張販売だと1時間で20人くらいは来てくれるため、こちらとしても助かる」と話す。
買い物に訪れた馬場2丁目に住む山内ヤエ子さん(80)は「近くにお店が全然ない。一番近くのスーパーでもずっと坂を下りていかなければならないし、重いものなんて到底持てない。買い物は息子に車で買ってきてもらうか、医者に行った時についでによるしかない。(販売車が)来てくれると嬉しい」と出張販売の必要性を話した。
出張販売は目で見て、好きな物を選べることがポイントだ。宅配生協や子どもに買い物を頼むと、自分の目で見て購入することができない。また、買い物はもちろんだが同販売会が地域交流の場になる可能性もある。馬場地域ケアプラザの若林直実さんは「初回時、荷物を家に置いてからもう一度来る人がおり、同窓会のようになっていた」という。社協の内藤陽介さんは「反響もあったので、今後は継続的にやることを視野に入れている。文化堂さんと協力して今後は毎週1回、決まった時間に何カ所かで開催したい」と話した。
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