3月6日に鎌倉芸術館で演奏会を行う日立製作所ソフトウェア事業部(戸塚町)の音楽隊隊長 首藤(すどう)卓馬さん 旭区在住 44歳
音楽で地域に潤いを
○…創立31年の歴史を持つ音楽隊の6代目隊長。3年前、隊長人事は前触れなく言い渡された。「それまで、音楽隊に所属さえしていなかったんですよ」と笑顔。その大らかな笑顔と、音楽で人を幸せにしたいという思いで、51人の隊員を率いる。隊長の役割は、対外的な交渉などが主だが、5歳からジャズピアノを習っていた経験を生かし、音楽隊の一員として演奏会にも参加している。
○…昨年の定期演奏会は「燃え尽きたと言っても過言ではない」と冗談交じりに言い切る。テレビドラマ「のだめカンタービレ」の主題歌にもなった、ピアノの独奏が印象的なガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」を演奏。「隊長の意地を見せつけたくてね」と照れ隠しのように笑うが、この演奏は隊長としてだけでなく、隊員としても認められるいい機会になった。本番に向けて必死に暗譜し、演奏に挑む姿を見ていた隊員からは「自分も頑張らなきゃと思ったよ」という声も聞かれた。
○…定期演奏会のほかにも、戸塚ふれあい区民まつりや消防出初式などの地域イベント、老人ホームの慰問で演奏する機会も多く、曲のレパートリーは多彩。老人ホームでは主に民謡を演奏するが、中には涙を流す人もいる。「自分たちの演奏を楽しみにしてくれている人や、感動してくれる人がいると嬉しくて」。こうした観客の反応が、次のステージへのモチベーションを上げてくれるという。
○…音楽隊は、事業所の従業員で構成される「自衛消防隊」の兄弟組織。練習は週1回、就業後に地下の食堂に集まって行う。イベント前には、休日返上で練習に励むことも。その活動は、通常業務に加えて行う「仕事」の一環として位置付けられているが、その思いは仕事の枠を超えている。「大会で金賞を受賞するより、人に喜んでもらえる、地域に愛される音楽隊でありたいんです」と、街に潤いを与える音楽を目指す。
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4月18日