神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
戸塚区版 公開:2012年2月9日 エリアトップへ

「穴太積み」を継承する第15代穴太衆頭として聞思堂の建設に携わる 粟田純徳(すみのり)さん 滋賀県在住 43歳

公開:2012年2月9日

  • LINE
  • hatena

石の声に耳を傾け

 ○…自然の石を加工せずに組み合わせて積み上げる。千年以上前から続く石積み技術「穴太(あのう)積み」を継承する第15代穴太衆頭として、善了寺の第二本堂「聞思(もんし)堂」の建設に携わる。現在、この技術を継承しているのは粟田家のみ。「石も人と同じでいろんな奴がいるんです。どんな形でも必ずぴったりの場所がある。適材適所という言葉の通り、その場所を見つけてやるのが僕らの仕事です」

 ○…粟田家に長男として生まれ、中学卒業後すぐに第13代の祖父が師となり修行を始めた。辛かったのは作業の大変さでも遊べないことでもなく、祖父の厳しい指導。名前で呼ばれない、給料も少ない、不満があっても文句も言えない状況だった。「祖父の口癖は、『時間がない』。教えられるうちに技術を叩き込もうとしてくれていたみたいですね。当時は怖いとばかり思っていたけど、亡くなってから偉大な人だったんだなぁと気付きましたよ」と懐かしむ。

 ○…高校生の娘と4歳の息子をもつ。全国各地で仕事をしているため、休みができた日は家でのんびり過ごすことが多い。年ごろの娘とは「気恥ずかしくてなかなか話もできない」、16代目候補の息子は「かわいいを通り越して憎たらしい」と少し恥ずかしそうに笑う。仕事の合間に友人と飲むのも息抜きのひとつだが、その楽しさの後の悩みは二日酔い。「二日酔いの日に作業すると調子がくるっちゃって、バランスの悪い”二日酔いの石垣”ができちゃうんですよね。やり直しになることもありますよ」と苦笑い。

 ○…4日には聞思堂で一般向けのワークショップも開催した。地元滋賀県でも学校などで穴太積みの講習をしている。楽しそうな参加者の姿に思わず笑みがこぼれる。参加者に紹介した祖父の言葉「石の声を聞け」。「自分はまだ聞こえていない」と、作りかけの石垣をじっと見つめる。憧れの祖父の姿を思い出しながら、石の声に耳を傾ける。
 

㈱横浜建材工業

屋根と外壁のプロ 屋根の無料点検実施中。瓦一枚からでも!

https://yokoken.com/

<PR>

戸塚区・泉区版の人物風土記最新6

永吉 和弘さん

この春から戸塚警察署署長に着任した

永吉 和弘さん

戸塚町在勤 54歳

4月18日

小山内 章さん

この春から泉警察署の署長に着任した

小山内 章さん

泉区和泉町在勤 54歳

4月11日

原 恒夫さん

さくらプラザでモザイクアートの40回目記念展示を行う

原 恒夫さん

戸塚区戸塚町在住 84歳

4月4日

青葉 裕子さん

東俣野町の農園で多世代コミュニティーの形成を目指す

青葉 裕子さん

東俣野町在住

3月28日

山口 キヌさん

102歳を迎えてなお、元気にスローライフを楽しむ

山口 キヌさん

平戸在住 102歳

3月21日

菅原 美穂さん

横濱花博連絡協議会の副会長を務め、マスコットのブンブンをデザインした

菅原 美穂さん

市内在住 38歳

3月14日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 4月25日0:00更新

  • 4月4日0:00更新

  • 3月28日0:00更新

戸塚区・泉区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

コラム一覧へ

戸塚区・泉区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月27日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook