3月13日に初の発表会を行った、ミュージックベル演奏団体「みどり会」代表の 桝谷 朝子さん 戸塚町在住 87歳
「お節介娘」もうすぐ米寿
○…音階の異なる鐘を複数人で鳴らし、曲を奏でる「ミュージックベル」。代表を務める演奏グループの「みどり会」が、初めて発表会を主催した。平均年齢75歳、8人の女性らによる約20曲に、観客からは「よくできたわね」という声が。「メンバー一同、褒められてとっても自信がついたわ」
○…実は結成3年。元々は「健康体操」で出会った仲間だったという。体操に飽きてきたメンバーが「何か面白いことないか」と言い出したのがきっかけだ。「簡単そうな趣味」だと思ってミュージックベルを選んだが、程なくして難しさを痛感する。「頭を使うから、もう大変。でも認知症予防になりそうだからいいわね」。時には老人ホームなどを訪問して披露することも。「簡単な曲しかできないからこそ、高齢者のウケも良い。喜んでもらえるのも楽しみ」。前向きな性格が端々ににじみ出る。
○…生家は戸塚大踏切そばにあった「たばこや呉服店」。「開かずの踏切に吉田茂が業を煮やし戸塚道路を建設した」という逸話は有名だが、実際に立ち往生する吉田茂の姿を目撃したという貴重な経験を持つ。「戸塚の歴史をずっと見てきた」――のどかだった戸塚の風景が変わっていくなか、約110年の歴史を築いた呉服屋も暖簾を下ろした。現在は姿もないが、商人の家で培った精神は今も続いている。「要するにお節介なの。お世話になったらお返しをしなきゃ、って」。亡き夫は生前、介護の世話になった。恩返しのために現在、近所のデイサービスに出向く。通所者との雑談が中心だが、「年齢が近いからこそできることがある」と信じている。
○…「両親は60代で亡くなったし、歳をとってからの生き方がわからなかった。でも、それが良いのかも」。考えるよりまず行動するタイプだからこそ、毎日が楽しいのだという。「いくら考えても明日は絶対来るものね」。キラキラと瞳を輝かせ、そう話してくれた。
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4月18日