大型の切り絵や水彩画、ペン画など芸術性の高い作品を生み出し続ける 大森 洋太郎さん 矢部町在住 78歳
絵筆を離さず、生きがいに
○…さくらプラザで毎年行われている春の芸術祭での絵画出展の常連。1・8mと大型の切り絵や水墨画風の水彩画、横浜や新橋、渋谷などの風景ペン画のほか総理大臣を描くといった風刺画など、多彩な世界観が持ち味だ。幼少期から絵を描きだし、サラリーマン時代、定年退職を経て、その創作への情熱は増すばかり。「絵を描くことは生きがい。体が動くまでやるよ」とほがらかだ。
○…東大寺や鹿で親しまれる奈良公園そばで生まれ育ち、「友達に褒められたのもあって」と小学生のころからよく公園で絵を描いて過ごしていた。長じて百貨店の商社部門に就職すると絵から遠ざかったが、その情熱は残り続け、仕事が落ち着いた40歳頃に再び絵筆を握るように。商品買付で中国などへの海外出張も多く、空き時間に現地の風景をよくスケッチしていたという。絵はすべて自己流だが、腕前を買われて会社員時代には顧客だった食品販売店の看板を描いたことも。切り絵では毎日新聞社主催のコンクールで特別賞を受賞。横浜山手西洋館でも毎年個展を開いていたほどで描いた作品数は「覚えてないくらい」だ。
○…45歳のときに家族4人で関西から都内に転居。10年の社宅生活を経て選んだ住屋が戸塚区だった。定年後はボランティアにも精を出し、月に2回はまさかりが淵市民の森で美化活動に取り組む。カラオケも趣味。週1で通い、「小田純平さんが好き。絵と同じように活力の源」と笑う。
○…コロナ前までは毎年個展を開いていたが、この2年ほどその機会はなく、自家用車を廃車したこともあって「作品も運べないしなぁ」と残念顔。それでも「朝起きたとき絵を描こうと思う。一筆入れると意欲も湧く。それが面白い」と衰えを感じさせなかった。
|
<PR>
|
<PR>
4月18日