「3・11」を前に防災に関する自主講座を開催する 福崎 哲夫さん 戸塚町在住 67歳
花咲く日を信じ、地道に
○…阪神淡路大震災の惨状にショックを受けたことがきっかけとなり、万が一の災害に備え、ヘルメットや手袋、マスクを常に持ち歩いている。「自分や家族が被害にあったわけではないが、行動したくなってしまう。それが自分の性格なんです」。約20年にわたり防災の知識を蓄えてきた。東日本大震災を機に「この知識を地域に還元したい」と自主講座を始め、浸透度を深めている。3月17日には戸塚区民活動センターで講座を実施する。
○…時に国会図書館へ赴いて専門書を読み、またある時は江戸時代の資料にあたって区内の過去の地形を調べる。すべては「防災」を学ぶための活動で、会社員時代から続けているライフワークだ。講座ではこうした精緻な内容が盛り込まれることから、常に好評。「『気を引き締めて』と言い過ぎても皆さん疲れてしまう。ちょっと意識してもらうきっかけとして続けていきたい」と話す。
○…品川区生まれ。子供の頃は体が大きく、いわゆる「ガキ大将」のような存在。困っている人を見過ごすことができず、乱暴者をいさめたりすることも。4年前、駅で困っていた障害者を手助けした経験から「障害者支援」を心に誓う。最近は、障害者が周囲に援助や配慮が必要なことを知らせる「ヘルプマーク」の普及啓発活動を行っている。「影響されやすく、単純な性格」と笑うが、活動は共感を呼び、協力者も徐々に増えているという。
○…趣味は花の世話。こつこつと世話を続けることが好きで、現在10種類ほどの身近な花が玄関前に咲いている。それを見たという幼い女の子から先日、感謝の気持ちがこもったバレンタインのチョコを貰った。「嬉しかった」と目を細める。「一生続けていきたい」という防災の知識啓発も、地道な積み重ねの連続。受講した人が、強い防災意識を持ち、実際に行動に移す――。この講座が、そんな形で花咲いていくことを願う。
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4月18日