創立70年以上の歴史を持つ戸塚区美術協会の会長 田中 實さん 吉田町在住 84歳
根元の会員大事に、大木へ
○…70年以上の歴史を持ち約50人の会員で構成される戸塚区美術協会の会長。新型コロナが流行し始めた昨年就任時に「会員の命を守るのが最優先」を理念に掲げ、年に一度の秋の展覧会中止を決断。今年は従来の公募を取り止め会員のみが出展し、展示場内の椅子を用意しないことで密を回避するなど対策を徹底。「作品数が減ったことで広々とした展示になり、感染者も出ず大成功でした」と胸を張る。
○…吉田町の農家の三男として生を受け、高卒で電機会社へと就職。会社合併など激動の時代を乗り越え、最終的にはグループ会社の社長にまで上り詰めた。絵との出会いは盛岡へと単身赴任した50代後半のこと。油彩画教室に入り、賞を取るほどのビデオ撮影技術もあって「芸術家がいた母方の血で才能があると思って」とおどける。その後戸塚で絵画会入会と同時に区美術協会にも所属。独自に絵の研究会も設立し、作品を作り続けてきた。要請を受け会長に就任した際には「個人ではなくチームで運営を」とあいさつ。経営者としての経験も生かしながらかじ取りを担う。
○…子どもが2人、孫が3人。10年ほど前に孫の1人がスポーツ大会で賞を次々と獲得していたことに触発され、「自分も負けてられない」と絵の公募展に挑戦。以来、県知事賞4回、横浜市長賞、鎌倉市長賞などの賞を総なめし、「仲間から賞泥棒なんて言われてね」と笑みを浮かべる。
○…「大木」を絵のテーマに使うことが多い。きっかけは妻の言葉「社会も人も地に足をつけるのが大事」。妻が大切に育てる長寿の木をモチーフにした作品が大賞だったと誇らしげに。今後は会長として次世代育成に注力し、会の根元である会員を大切に、大木をめざしたいとした。
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4月18日