元宮自治会(丸山清吉会長=人物風土記で紹介)がこのほど、元宮の歴史をまとめた『元宮郷土史語りはじめ』を完成させた。元宮の郷土史をまとめた冊子の編纂は初めてとなる。同会は、今月から自治会会員を中心に冊子を配布していくという。
冊子は全56頁。昭和初期から現代の元宮の地図や建物、祭りの写真などを数多く取り上げており、当時の暮らしの風景を思い浮かべることができるよう工夫されている。
テーマは元宮の「人・生活・歴史」。編集に携わった同会の平畠穰副会長は「子どもが読んでもおもしろいように、単純に歴史だけではなく人の集まりや笑顔の写真をたくさん載せた」とこだわりを語る。
語り部減少に危機感
製作をはじめたのは昨年の10月。「だんだん昔のことがわからない人が多くなってきた。新しい住民が増えている今、我々がやらなければ」と丸山会長。地域の語り部が消えゆく現状に危機感を覚え、歴史を未来へ伝承しようと自治会が立ち上がった。
取材から編集まで全て自治会役員ら10人による手作り。熊野神社=市場東中町=や区役所から資料を集め、地域の高齢者に昔の様子を聞くなど、地域が一体となって冊子を作り上げた。
郷土研究の足掛かりに
同会は編集を通じて、元宮を再発見できたという。「語りはじめ」という冊子のタイトルには、「次世代がこれを足掛かりに、もっと深いところまで歴史をまとめてくれたら」との願いも込められている。
元宮では近年、マンション建設などにより転入者が急増している。1975年には約800戸だったものの、現在は約1600戸と倍増している。
丸山会長は「何かの縁があって同じ場所に住んでいる。子どもたちが元宮に愛着を持って、いつか戻ってきてくれるよう、よさを知ってもらいたい」と話した。
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