東寺尾北部町内会の副会長・松本真治さん(55)が5月6日、病気などで髪の毛を失った子どもに医療用ウィッグを届けるため髪の毛を寄付する「ヘアドネーション」を行った。大人の男性では特に珍しいという髪の寄付。約2年間伸ばし続けた松本さんは「困っている人の役に立ちたかった」と話す。
白血病や脱毛症など、頭皮・頭髪に関わる病気やけがが原因で髪の毛を失った子どもたちに、医療用ウィッグの元となる毛髪を寄付するヘアドネーション。
松本さんは2020年の春、コロナ禍になったことで散髪を控えていた。エンジニアの仕事で以前から在宅ワークだったこともあり、気にならなかったという。「散髪はコロナが落ち着いてからと思っていたら全然落ち着かなくて」
半年が経った頃から、「もったいないな」と感じるように。妻がヘアドネーションをした経験もあり、活動は知っていた。小学生の男の子がヘアドネーションをしたという新聞記事も後押しとなり、寄付を決めた。
慣れないことの連続
髪を伸ばしている最中、会った人に「切った方がいいのでは」と声をかけられたこともあった。普段から髪留めのゴムを持ち歩き、夏の暑さに耐え、松本さんは「慣れないことが多くて大変でした」と笑う。「でも、色々な人が必要としていることは知っていたし、役に立ちたいと思った」と思いを語る。
2年間で40cm以上
カットは妻もヘアドネーションをした川崎市川崎区にある美容室「EARTH川崎店」に依頼。「床屋などしか行ったことがなく、美容室は初めて」と緊張した面持ちだった松本さん。約2年間、40cm以上伸びた髪を切り、「首が楽になった。切ってみてやっぱり重たかったんだなと分かった」と感想を述べた。カットした美容師は「男性のヘアドネーションを担当したのは2人目。珍しい」と話した。
1体の医療用ウィッグを作るには、約30人から50人分のヘアドネーションが必要だという。カットされた158gの松本さんの髪の毛はヘアドネーションを専門に行うNPO法人「JHD&C(ジャーダック)」へ郵送で寄付された。松本さんは「自分の体の一部が回って誰かのためになるのは嬉しい。良い経験になった」と笑顔だった。
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