区内駒岡在住の小山和雄さんらの尽力で、横浜熊野神社=市場東中町=所有の明治初期の絵馬が復元され、3月17日、同神社に奉納される。絵馬は「当時の風俗や職人の技術などがわかる貴重な資料」だという。
古い絵馬は、横浜熊野神社が所有し、現在は横浜市歴史博物館に寄託されているもの。明治3年に川崎市砂子のちょうちん屋・小宮金治郎が描いたという。
明治5年、新橋―横浜間に日本初の鉄道が敷設される際、線路上にあった同神社を人力で移設している曳家の様子が描かれている。
復元に向け資金面も含め尽力したのは駒岡在住で建設業などを営む小山和雄さん。4年前の鶴見区民文化祭で原画を見て、復元を決めたという。
小山さんは「原画を何度も見るうちに曳家だとわかった。自分たちは道具を使って行っていたが、この当時にはなく、特殊な技術がないとできないはず」と感嘆する。
描き手探し2年
原画は傷みが激しく、描き手探しが難航。復元を手伝った鶴見歴史の会の元会長・松沢常男さんによると、「何が描かれているのかはっきりと見えない部分が多く、何人にも断られた」と振り返る。約2年かかり、2人の共通の知り合いで絵心のある港北区在住の小野田治見さんが依頼を受け、復元にいたった。
当時の風俗も
新たに描かれた絵馬は、原画同様、横160cm、縦66cmの杉板を使用。当時、どんな技法で神社が移設されたのかがわかる。また、「髪はちょんまげで、草履を履いている姿から、江戸時代の名残りもわかるなど、風俗としても貴重な資料」と松沢さんは説明する。
復元・奉納にあたり小山さんは、「この界隈の職人たちの先祖が努力した証を後世に残せ、同じ職人としてうれしい」と話している。
絵馬は今後、横浜熊野神社の萩原貞雄宮司により奉納者名などが書き入れられ完成する。奉納は3月17日(日)10時から。奉納後、10時30分ごろから正午まで一般見学可能となる。以降は同神社ホームページでのみ閲覧可能となる予定だ。
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