人口約29万人。少子高齢化が進む現代でも人口が増え続けている鶴見区。外国人も多く、多世代や多文化を背景とした、さまざまな課題に対応する取組が必要となっている。本紙では一年の始まりにあたり、就任初年度となった森健二区長に、鶴見区の今年の展望などを聞いた。(聞き手/本紙鶴見区版編集長・浜田貴也)
鶴見愛は不変
――まずは区長就任1年目の鶴見区の感想を。
「私は平成20年3月まで鶴見区に勤務していましたので、『10年ぶりに戻ってきた』という気持ちで、あらためて区内の様々な場所を訪れてみました。
鶴見駅東口には、31階建ての「シークレイン」がそびえたち、区民文化センターも整備されました。当時は工事中だった横浜北線・岸谷生麦線も完成して、物流機能が大幅に向上しています。
また、旧鶴見工業高校跡地には、公園や特別養護老人ホーム、看護専門学校、介護施設などが整備されました。当時と変わらない懐かしい面影もありますが、この10年で着実にまちづくりが進んでいるということを実感しています。
10年経って、鶴見のまちは大きく変わりましたが、地域や企業・関係団体の皆様の、鶴見区を愛する気持ちは全く変わっていないなと感じました。
着任して9カ月、区民の皆様とお話をするたびに力強いエールをいただいています。皆様とご一緒に、鶴見区を今まで以上に暮らしやすく、活気あふれるまちにしていきたいと思っています」
臨海部再編で魅力アップ
――未来に向けたまちづくりの指針である区の都市計画マスタープランの改定が進み、さらには関わりの深い臨海部の再編プランも発表されました。区の課題や解決策は。
「横浜市の人口は今年をピークに減少に転じますが、鶴見区は宅地開発が続く背景もあり、2015年〜42年までの間に2・5万人増加することが見込まれています。一方で、65歳以上の高齢者数も増加します。
このような人口動態の変化が見込まれる中、地域の課題はますます多様化していくと考えられます。課題の解決には地域との協働が大変重要ですので、防災・防犯といった地域力の強化をはじめ、子育て環境の充実や高齢者の方への支援など、子どもから大人まで安心・元気に暮らせるまちづくりに引き続き取り組みます。
人生100年時代となった今、”健康長寿”がキーワードです。鶴見区でも、区民の皆様の健康づくりを積極的に応援していきます。一緒に取組を進めましょう。
また、現在策定を進めている鶴見区版の『都市計画マスタープラン』は、20年後を見据えた鶴見区のまちづくりの指針となるものです。
『活力があり 安心して住める 水辺のあるまち』を目標とし、地域の特性を生かしたまちの環境形成などについてまとめています。
その中で、これからの都市活力を支える事業の一つとして、京浜臨海部の再編整備をあげています。羽田空港や都心に近い優位な立地や、今年4月から本格的に始まる大型客船の大黒ふ頭への寄港といった機会を大いに活用し、研究者や来街者が触れ合い・楽しめる産業観光の取組を進め、活力があり魅力にあふれる鶴見区を目指します」
「鶴見へ支援・協力を」
――最後に区民へのメッセージを。
「今年2019年は横浜開港160周年を迎え、8月には「第7回アフリカ開発会議」、9月にはラグビーワールドカップ2019(TM)が開幕と、横浜市全体で国際都市・横浜の存在感を一層高める催しが相次いで開催されます。
鶴見区も今年は大黒ふ頭CIQ施設が本格オープンし、大型客船が多く寄港することで、世界中からお客様が訪れることになります。これを契機として、街の活気を大きく高めていく一年としたいと思います。
これからも成長・発展を続ける鶴見への変わらぬご支援、ご協力をどうぞよろしくお願いします」
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